家庭用オーディオコンポ間の接続はRCAケーブルが通常です。RCAケーブルと言う呼称はその名前の通り、アメリカRCAが考え出した端子です。
この端子のメリットは小型で安価、端子へのケーブル接続加工が簡単。技術的には、外側部が信号部分を電磁/静電シールドするかたちになるので、ノイズが入り込みことが少ない。
デメリットとして、接続時、信号線側から先にオーディオコンポに接続されるので、接続されたコンポは最大ゲインとなってしまい、大きなショックノイズを出します。
パワーアンプに接続時、そのショックノイズでスピーカーを壊してしまう事故もあります。気をつけましょう。
あまり知られていないことですが、RCA端子の特性(高周波)インピーダンスは50Ωがほとんどです。まれに、75Ω端子タイプもあります。
50Ω、75Ωの違いは、オーディオのような低い周波数帯ではどちらでも問題なく、作りやすい50Ωものが良いでしょう。
高周波や測定器に使われています。差して右に回せばロックできる確実性があります。
ケーブルは同軸を使うのが前提。オーディオ用より幾分高価。50Ω特性インピーダンスが標準(75Ωタイプは映像用に使われます)。高周波帯域は4ギガまでの想定をしています。
かつて、このケーブルを真っ先に発売したキャノン社の名前からからキャノン端子と呼ばれていました。
バランス伝送用3線式端子で、1番端子:グランド、2番端子:ホット、3番端子:コールドが国際標準となっています。
1番端子が瞬時、先に接続されるので、接続時ショックノイズが発生しない。
また、ロック機構があるので、抜けず、安定度は高い。プロ用オーディオ機器には古くから必須の端子と言えます。
近年、ピュアオーディオ機器にも採用されることが多くなりました。
ノイトリック社が最も占有率が高く、あと、スイッチクラフト、ITTキャノンが有名です。
パワーアンプのスピーカー用端子として使用すると便利です。
先端にバナナプラグを差し込めば、それで完了する便利があります。但し、強い力で引っ張ると抜けます。注意が必要です。
このあたりから、Yラグを使用したケーブルにネジ込端子を接続する用心深い方も少なくありません。
オーディオアンプは、ほとんどがねじ込み端子でした。
アンプの入力は、入力するアンプ側の電流負担が掛からないように、なるべく高い入力インピーダンスにすることが望ましいですが、むやみに高い入力インピーダンスにすると、外部(空間も含む)からの電磁波ノイズの影響を受けやすくなります。
例えば、携帯電話の電波がパワーアンプの入力に侵入することも充分可能性があります。
民生用オーディオアンプの標準的な入力インピーダンスを日本では47(50)kΩとしております。但し、指針であって、特に強制力もありません。
近年、50kΩの入力インピーダンスとするアンプが多いです。また、100kΩでもまったく問題ありません。
一方、プロ用アンプではこれより低く10kΩが多く、何となく、標準になっています。
この違いは、プロ用アンプの使用条件が、電磁波や誘導磁界が飛び交っている過酷さであるのを考慮してそうなったものと思われます。
【図18】はCDプレーヤーからプリアンプに接続される状態を示しています。
次に、接続されるパワーアンプの入力インピーダンスが10kΩのとき、接続するアンプの出力インピーダンスが10kΩだったら、どうなるでしょうか?
【図19】をみれば、パワーアンプの入力電圧は半分になってしまうことが分かります。
それでは、1kΩになったときはどうでしょうか?
入力電圧の低下は1kΩ/(1kΩ+10kΩ)≒0.09となり、ほとんど低下せず、問題のないことが分かります。
このことから、多くのプリアンプの出力インピーダンスは75~600Ωになっています。
その数値の選択は設計者のセンスとか考えであり、そう重要ではありません。
例えば、100Ωに設計すれば、100/(100+10kΩ)≒0.01となり、電圧低下はゼロとしてよいでしょう。
200Ωになっても、200/(200+10kΩ)≒0.02で電圧低下はないと見て良いでしょう。
逆にパワーアンプの入力インピーダンスが20kΩになったときを計算してみると、100Ωのとき、100/(100+20kΩ)≒0.005、
200Ωのとき、200/(200+20kΩ)≒0.01、となって、問題ないことがわかります。
【図18】のように、CDプレーヤー/DACとプリアンプとインピーダンスとの関係も同じです。
ちなみにCDプレーヤーとかDACの出力インピーダンスは75~600Ωのどこかになっています。
2019年12月10日掲載 2019年12月11日:一部内容を修正