何とか、Rogersブランドを少なくとも、日本国内で継続させたかった。
そこで、浮かんだアイディアは真空管であった。
当時、ロシア,中国,東ヨーロッパで真空管製造は続けられていた。勿論、Rogersに真空管を製造する能力はないが、上記の製造元にOEMを頼めば応じてくれる環境にあった。Golden Dragonにしても、中国工場で製造されていたOEM製造によるブランドであった。また、ロシア真空管にしても、SOVTEK,Svetlanaが存在していたが、製造能力には余裕があったという。実際、後年、アメリカのNEW SENSOR(真空管商社)はMullard,TUNGSOLブランドを買い取り、ロシアで製造させて、ビンテージブランドを付けて販売している。
ある程度の資金を出せば、Rogersブランド真空管の実現と販売は可能と私は考えた。
それには、まずは格好良いブランドマークは無いかと、イギリスRogersに、創業者ジム・ロジャースさんの紋章がないかと聞いてみた。Rogersさんの先祖はナイト(騎士)であるという。そして、しばらくして、写真に示すような紋章を送ってきた。ご覧のようになかなか格好が良かった。使用権については、実現するようなら連絡をくれということであった。そこで、私はすぐ写真に示すような真空管外装箱デザインを、Rogers社員の知り合いのデザイナーにも相談に乗ってもらい作成した。
自己陶酔かもしれないが、結構価値感があるように感じた。具体的な販売計画も立ててみた。けれども、香港Rogers本社からの東京事務所のクローズの方針のほうが優先されてしまい、結果的に小規模なあがきに終わってしまった。
その後の真空管オーディオビジネスを見るにつけ、少し、残念な気がする。
あるところから、M300iを持っているという知らせがあった。さっそく、撮影させて貰った。きれいな姿であった。
以下に掲載します。
イギリスRogersの創業者ジム・ロジャースさんの紋章
真空管外装箱デザイン
プリメインアンプ“Rogers® M300i”
プリメインアンプ“Rogers® M300i”
2015年 4月20日掲載