前回のブログでご紹介した、MCトランス入りフォノイコライザ“MASTERS PH-700/CUSTOM”の真空管整流回路の話題です。
MASTERS以外、どこもやっていない整流真空管方式による±2電源回路について、具体的な回路図を公開します。
このようなユニークな方式にたどり着いたのは、従来の定電圧回路による半導体プリアンプのサウンドが、どちらかというとハードで、どこか、ひっかかりのあるサウンドがずっと気になっていました。
仕方なく、定電圧電源を省いて、半導体ダイオードで整流後、π型フィルターでリップルを除去して、アンプユニットに電源供給します。
これでかなり改善されます。それでも、あと少し、何とかならないか?という気持ちが湧いてきておりました。
その原因は半導体ダイオードがノイズを出すこと、逆流する時間(リカバリータイム)があることなどが原因かなとも思ったりします。
そこで、熱電子による整流電流が流れる真空管は上記のような問題点が一切なく、小電流を消費するアンプなら、採用できそうです。
ところが、半導体アンプは±2電源、具体的には、+15V以上、-15以上の正負電圧が必要です。
いろいろ考えて、整流真空管を2本使って、全波倍電圧整流方式を考えました。
その具体的な回路を図に示します。どうしても2本の整流管を必要とするので、ヒーター電力を2本分必要、電源トランスは2個必要とします。
それなりの規模になりますが、この方式でフォノイコライザを登場させて以来、好評をいただいております。
特に、“スムーズ、瑞々しい、奥行感のあるサウンド!”と評価されております。
ご注目下さい。