店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。

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パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999シリーズ”のバランス伝送・増幅

パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999シリーズ”は発売以来、多くのユーザーさんに愛用されております。末永くお使いいただけるよう願っております。
さて、バランス伝送はホット,コールド,そしてグランドの3線で行い、通常のバランス増幅はグランドを基準にします。
パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999シリーズ”は、上記方式のバランス増幅アンプに対応しております。
これまで、気が付かれた方はおられると思いますが、サンスイXバランス増幅アンプ、マスターズのZバランスパワーアンプやプリメインアンプでは、バランス信号入力を差動入力としてバランス増幅します。
したがって、グランドラインはプリアンプとは無関係になり、いわゆるグランドフリーでのバランス増幅となります。よって、グランドに関わる問題(ノイズ、電源極性など)はまったく関係がなくなります。

今回、パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999シリーズ”において、グランドラインとパッシブトランスのグランドとをフロート(FLOAT)して、マスターズZバランスパワーアンプに接続してみました。これまでは、グランドラインと接続されていました。
電気的特性はフロートでも、グランド接続しても、どちらでも、まったく変わりがないはずで、それは確認致しました。そしてヒアリングにおいて、いろいろ聴いてみました。
まずはバイオリンソナタです。これまでより、切れ味が増し、細かい表情、空気感がより感じ取れるようです。
次は、ジャズトリオです。ベース音階がよりくっきりして、さらに、ピアノの打鍵がジャズに溶け込んできます。
ドラミングも“そうだった!”とかというような細部が認識できる感じです。
けれども、微妙な差異ですし、私の聴覚ですので、何ともいえませんが、Zバランス増幅を活かすにはこのほうが良いようです。
ユーザーの方に余計な情報を与えるかもしれませんが、グランドフロートはバランス伝送(ホット,コールド)でおこなう意味から正しい方向と思います。
今後のパッシブプリアンプ“MASTERS CA-999シリーズ”のご注文においては、デザインスケッチのように、ご希望グランド選択スイッチを付加できます。価格は変わりません。
なお、パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999シリーズ”ユーザーの方で、グランドフロートをご希望の方はご連絡ください。リア面にて、スイッチ付加で対応致します。ただし、申し訳ありませんが、実費を少々頂きます。
回路は【図2】に示します。

最後に、私の知っているところでは、差動バランス入力で、グランドフロートでバランス増幅するのは“ソウルノート”のバランス増幅アンプと思われます。回路ブロックから眺めると、差動バランス入力の3段増幅アンプ構成と読みます。

【図1】MASTERS CA-999FBG/GF(予定) グランドフロートスイッチ装備の場合のフロントスケッチ

【図1】MASTERS CA-999FBG/GF(予定) グランドフロートスイッチ装備の場合のフロントスケッチ

【図2】グランドフロートスイッチ装備の場合の回路

【図2】グランドフロートスイッチ装備の場合の回路の回路図


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