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店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。

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低昇圧比MCトランスのサウンド

低昇圧比MCトランスを聴いてみました。

特別ご提供品のMCトランス“MASTERS MC-201custom”)は昇圧比が8dBしかありませんが、バランス巻き(巻線が2個)構成ですので、周波数特性が広く、かつ、外部からの漏洩磁束をキャンセルする性格を有します。そのため、トランスとして最高の特性(ワイドレンジ、超低ひずみ)を示しております。

ご年配のオーディオファンは覚えていますか?

オールホーンシステムで、我々に大きな影響を与えた高城さん(1960年代)は日本人で初めて、オルトフォンカートリッジを使った方として知られています。
いろいろ、MCトランスも試したらしく、オーディオ誌(ラジオ技術)で、一番、音質が良かったのは2次インピーダンス200Ωが良かったと記しています。
昇圧比の低い分はフォノイコライザーのS/N向上に努めて、ベストサウンドが聴けたという記事には私はわくわくしたものです。

その印象を思い出しながら、このトランスを聴いてみようと思いました。MCカートリッジは比較的巻線インピーダンスの大きいDL103は素晴らしく再生しますが、それよりも良かったのはオルトフォン系の低インピーダンスカートリッジでした。広々としたサウンドは良く言われる“オルトフォンSPUはリッチなサウンド”という定評があります。

しかし、MCトランス“MASTERS MC-201custom”ではそのような印象より、”光悦“カートリッジのようなスムーズですっきりとしたサウンドで聴けました。

フォノイコライザーのゲインの点でやや厳しいですが、フォノイコライザーに充分な電気的性能があれば、他にないMCサウンドが聴けます。

売れてしまうまで、私が楽しむことにしましょう!


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