MASTERSアンプは、ノイズのない、リップル分の少ない、低出力インピーダンス電源で動作するアンプで素晴らしいですが、フォノアンプについてもバッテリー動作に及ばないことはヒアリングすると分かってしまいます。
確かに、12Vバッテリーを2個用意することは、充電も含めて面倒ですが、それだけのことはあります。
当方のAPI2520タイプ・フォノイコライザーは、すでに真空管式整流方式で好評を得ておりますが、バッテリー電源によるパフォーマンスを上回るものがあります。
特に、MASTERSのMCトランスを加えたフォノイコライザーのサウンドは、さらにダイナミックな澄み切ったサウンドです。
さらに、ノイズのないサウンドは、アナログレコードの良さを再認識しました。
1970年代のアナログレコード全盛の頃のフォノイコライザーでは、このようなパフォーマンスは得られないでしょう。
特に、ダイレクトカットレコードを聴くサウンドは、2トラ38サウンドでさえ及ばないリアル感です。すなわち、“マイクロフォンに入ったサウンドはこんなサウンドなんだ!”と感じます。
これは大げさに言えば、コンサートサウンドを上回る別次元のサウンドです。
収録時間が短いのが(せいぜい20分)物足りないですが、本当においしいものが少し味わえれば良いのです。
こうなると、どんなに優れたデジタルサウンドも、このサウンドの良さとは比較できず、別次元と言わざる得ません。
オーディオ誌“ステレオ”8月号を眺めていたところ、153ページを見て、少し驚きました。
どこかで見かけたようなかっこう!そう、ケース専門メーカー、タカチ電機工業のヒートシンク付きケースです。
このアンプはカレントディレクトリーという、本来、IT会社の30歳代のエンジニアが開発・設計・製品化したパワーアンプとのことです。
(https://audio.current.directory/)
さて、アンプのサイズは430×330×85mmと横幅はフルサイズです。サイドはヒートシンクになっています。
ディスクリート構成のアナログアンプで、1980年代に戻ったようなコンセプトと感じました。
価格は¥363,000(税込)でリリースされています。
電気的仕様は優れており、パワーデバイスはトランジスタ、パワーは20W+20Wに抑えられています。
特に注目することは、盟友 川西さんが主宰するWest-Riverアンプの一大特長である、電源部に安定化電源を採用していることです。
ヒアリングする機会はないので何とも言えませんが、ようやく、川西さんが提唱する方式を採用しているところが注目です。
一方、MASTERSの特別ご提供品のプリメインアンプ“MASTERS AU-2030G/custom”は、MOSFETを採用したZバランス増幅アンプで、パワーは30W+30Wです。
価格は¥192,500(税込)とリーズナブルです。
大きな違いはやはり、前者のアンバランス増幅(ハーフブリッジ)かバランス増幅(フルブリッジ)かの違いでしょう。
また、パワーデバイスがトランジスタとMOSFETとの違いも大きいでしょう。
さらに、このケースの熱的マージンがあるので、“MASTERS AU-2030G/custom”は2Wまで純Aクラス動作させています。
そのほかの違いはプリメインアンプ“MASTERS AU-2030G/custom”のページをご覧ください。
また、外観、すなわち、アンプのフロントデザインはいかがですか?
私は、担当した大友デザインに大いに満足しています。
それでは皆さん、オーディオを楽しんで下さい。