オーディオのイシノラボ・ドットネット オーディオ機器の通販・修理!

イシノラボ オーディオ関連商品通信販売(オリジナルオーディオアンプや、真空管などのオーディオパーツ)

マスターズ オリジナルオーディオアンプの製作・販売

ホーム  >  店長のブログ  >  MASTERS CA-888PZBシリーズ
一言ご紹介
【MASTERSブランド】
CA-999GBAL/A
CA-999GBAL/A
アクティブ・プリアンプとして、最高の音質を追求しました!
人気記事リスト
  1. 最近修理したサンスイアンプについて
    2012年1月12日(木)
  2. オーディオアンプの修理の傾向
    2020年4月5日(日)
  3. すぐれたロータリースイッチの存在でMASTERSパッシブプリアンプが成立している
    2013年4月6日(土)
  4. 1978年製“サンスイ AU-707”の修理
    2016年10月16日(日)
  5. トランス式アッテネータ・パッシブプリアンプ MASTERS ATT-900シリーズ
    2010年7月18日(日)
  6. 我が家のオーディオ装置から、やっといい音が出る!!
    2011年1月16日(日)
  7. オーディオを節電しつつ楽しむには
    2011年3月21日(月)
  8. NFBアンプを考えてみよう!
    2013年12月25日(水)
  9. バッテリー電源に使うバッテリーを充電するには!?
    2010年4月6日(火)
  10. 昨今のビンテージ真空管事情
    2011年11月19日(土)
  11. パッシブ・プリアンプで体験したこと
    2010年12月31日(金)
  12. 弊社製品の安さの理由とオーディオ機器の価値
    2011年2月12日(土)
  13. 新開発!Zバランス回路(Xバランス回路の改良版)!
    2012年8月12日(日)
  14. アンプの進歩を導いたJBL SA600アンプ回路をベースに創ってみた
    2018年11月24日(土)
  15. 日立(現ルネサス)高性能MOSFETによるZバランスアンプ
    2015年9月9日(水)
  16. 高能率スピーカに最適のアンプとは?
    2012年5月14日(月)
  17. 新開発の真空管整流電源によるトランジスタ・フォノEQアンプ
    2012年1月19日(木)
  18. カスタムアンプ“MASTERS CA-999FB/super A custom”のユーザー様からのレポート
    2011年6月4日(土)
  19. 評価の高いプリメインアンプ“MASTERS AU-880L”
    2011年6月26日(日)
  20. 究極のリアルサウンドが聴けるか!マスターズのパッシブ・プリアンプ
    2010年10月23日(土)
  21. 真空管アンプによるフルバランスシステム 試聴報告
    2008年10月7日(火)
  22. MCトランス“MASTERS MC-203”の優美なサウンド
    2013年7月3日(水)
  23. 真空管パワーアンプ 6AS7Gppアンプ製作
    2010年7月8日(木)
  24. 300Bを4本採用したフルバランス・プリアンプのカスタム製作
    2008年9月28日(日)
  25. マッチングトランス、その新接続方法によるパフォーマンス
    2013年6月2日(日)
  26. ホーンシステム・ユーザーさんに有益な情報!
    2010年5月22日(土)
  27. “MASTERS BA-225FB/MOSy”誕生!
    2008年5月6日(火)
  28. ビンテージ管45(直熱3極管)搭載プリアンプ“MASTERS CA-45S CUSTOM”の更なる改善
    2010年9月26日(日)
  29. トランス式パッシブプリアンプ“MASERS CA-999FBS”を納入致しました!
    2011年9月7日(水)
  30. パーマロイコア採用の小型出力トランスの開発と搭載アンプの製品化計画
    2017年7月8日(土)
  カテゴリー ‘MASTERS CA-888PZBシリーズ’ のアーカイブ
店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。

ブログのホーム


バランス伝送・増幅におけるプリアンプの意義

電磁波ノイズ対策とバランス伝送・バランス増幅

パワーアンプにおいては、バランス増幅でスピーカーを+,-の両側から(ちなみにスピーカーユニットはフローティング機器で極性がないし、グランド電位もない)ドライブすることは、スピーカーユニットからの逆起電力のコントロールに有益だし、プッシュプルドライブであるから、ユニットへの電力供給能力は高い。その結果、パワフルサウンドが生まれるのだと私は思っています。

それではプリアンプの場合はどうなのでしょうか?プリアンプの負荷はパワーアンプの入力インピーダンスですから、通常、10kΩ以上と高く、電流供給能力は必要ありません。むしろ、ノイズを混入させたり、ひずみを増加させたりしないことが重要です。

近年、スイッチング,インバーター電源や携帯電話の普及で、かなりの電磁波ノイズが、電源から、オーディオ入力へと入り込みます。ところが、電磁波対策を施すと本来のオーディオアンプとしての音質が劣化しやすいことは、電波規格の厳しいCE規格試験対策を施すと体験できます。そのあたりを考慮したりして、いろいろなノイズ抑制アクセサリーが販売されていますが、その効果のほどはいろいろです。

オーディオ信号の伝送には、オーディオでは2~3mくらいの距離なら、RCAケーブルで充分と言われているようですが、近年、バランス伝送が少しずつ普及してきました。
その狙いは100年くらい前に遡ります。

遠距離の電話線伝送(特にアメリカ大陸間電話回線)で、ノイズ混入に悩まされた打開策として、ホット,コールド間のバランス信号にグランドラインを含めた3線式(バランス)伝送で、解決してきました。
また、数百メートルに及ぶコンサート会場(PA/SR)機器間の信号伝送は、バランス伝送が必須です。バランス伝送により、スイッチングノイズや照明機器からのデジタルノイズに悩まされることがないのです。このノイズ排除能力の基本理論は、対グランドラインから伝送ラインの飛び込むノイズ(コモンモード・ノイズ:例えば電磁波ノイズを含む)がバランス伝送では相互に位相が逆になっているので、ノイズを打ち消してくれるのです。少なくとも、バランス受け入力のあるプリアンプはこのポイントでノイズの点で有利です。

次に、アンプに入力されたオーディオ信号も電源からのノイズ(電磁波ノイズを含む)が増幅回路に混入してきます。その影響はとても数値化できるほどの大きさではありませんが、定性的に混入すると言えます。私はプリアンプといえども、バランス増幅して、コモンモード・ノイズを打ち消して、ノイズが発生しないバランス増幅が良かろうと、最近になって思うようになりました。大好評をいただいているバランス型トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999シリーズ”は、単巻トランスによる電圧増幅になりますが、バランス伝送・増幅しているので、この方式も優れた方式と言えましょう。

サンスイのXバランス回路とプリアンプ回路

かつて、サンスイ在籍時、Xバランス増幅パワーアンプ“B-2301”/“B-2201”の製品化を終えて、次はプリアンプの製品化の段階になりました。モデル名は“C-2301”と決まりました。肝心のプリアンプ回路については、“B-2301”/“B-2201”がバランスダイレクト入力・増幅の機能を備え、Xバランス回路の能力を100%引き出すことを目指しました。

そうなると、プリアンプ回路もバランス増幅であるべきであるものの、当時は、Xバランス回路はパワーアンプに搭載するという観念が強く、プリアンプ部ラインアンプ回路構成は、ダイアモンド作動回路でホット側を構成し、その出力をダイアモンド作動回路で反転回路として、バランス増幅をおこなうかたちとして、やむなく製品化しました。
その後、“C-2301”の次期プリアンプ回路は、確か、バランス増幅をやめて、アンプ出力をトランス結合させて、バランス出力を構成しました。

それから、30年近くの年月が流れましたが、つい最近まで、私はプリアンプのバランス増幅はブリッジ回路により、2台のラインアンプでバランス出力を構成し、RCA入力の場合はバランス変換回路で増備せざるを得ませんでした。そうなると、バランス型トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999FBGシリーズ”のように、トランス・ダイレクトバランス変換回路がベストと思いました。

プリアンプ用Zバランス増幅回路(PZB)

つい最近、Zバランス回路の負荷抵抗を高くして、測定したところ、驚くほど低ひずみが得られました。また、出力インピーダンスは0.22Ω以下と、パワーアンプ並みの低インピーダンスです。回路常数の検討と電源構成の検討から、プリアンプ用Zバランス回路が完成し、製品化にこぎつけるパフォーマンスになりました。
特筆すべきは、プリアンプ用Zバランス回路はRCA入力、バランス入力ともに、差動入力として動作し、完全バランス増幅・出力とすることができたことです。
前述したように、アンプとして完全バランス増幅するので、コモンモード・ノイズ(電磁波ノイズ等)成分はこのバランス増幅により打ち消しあい、オーディオ信号に電磁波ノイズが混入することは全くありません。
さらに、副次的な特長として、ヘッドフォンのバランスドライブも極めて動作マージンを以て、動作できます。価格の高価なパーマロイ、ファインメット材を使うことがないので、販売価格を引き下げることができ、気軽にバランス増幅サウンドを楽しめます。
どうか、プリアンプ用Zバランス増幅回路(PZB)搭載フルバランスプリアンプ“MASTERS CA-888PZBシリーズ”にもご注目ください。

Zバランスプリアンプ,ヘッドフォンバランスドライブ回路 ブロックダイアグラム
Zバランスプリアンプ,ヘッドフォンバランスドライブ回路 ブロックダイアグラム


ブログのホーム


Copyright © 2003-2024 ISHINO LAB. © 2003-2024 MASTERS All rights reserved.

Valid XHTML 1.0 Transitional  Valid CSS!   Microsoft Internet Explorer  Google chrome  Microsoft Edge