サウンドエフェクター付きバランス対応プリアンプ
“MASTERS CA-1000FDS/BAL”
2022年1月12に発売した、サウンドエフェクター付きバランス対応プリアンプ“MASTERS CA-1000FDS/BAL”については、商品化した私も少し戸惑っています。
大きく眺めると、世界のどこにも、類似したアンプはないからです。
それでは、具体的にブロックダイアグラムを眺めて、説明をご覧ください。
低域を補正・増強できる機能
RCA端子から入力したオーディオ信号は、イコライジングフィードバック回路によって、小型スピーカー等の低域下降特性を補正する機能があります。
20~100Hzの帯域を最大4dB程度、連続的に増強することができます。
“気持ち、もう少し低域が欲しいな?”というときはこのつまみを時計方向に回せばよいのです。最小位置の左端では、ディフィート・フラット状態になります。
この機能は、盟友・川西氏が主宰するWest-Riverプリアンプでは、常時固定状態で搭載されて好評とのことです。
ちなみに、私の使っているTANNOY アーデンでは38cmの大型ウーファーのせいか、それほど使うことはありませんが、ジャズのようなリズムを重視する音楽では、少しだけ(1dB程度)増強すると、とても生き生きとしてきます。
この機能は通常アンプでも、搭載しているトーンコントロール回路に代えて、これを装備したらと思います。小型スピーカーで低音不足でちんまりと聴いているより、リッチな気分になれると思います。
L/Rの信号をブレンド出来る機能
『低域を補正・増強できる機能』を通ったオーディオ信号は非反転、反転回路に導かれます。
この回路を通ると、RCA信号はHOT、COLDのバランス信号に変換されます。
このバランス信号をXLR端子に接続すれば、バランス出力プリアンプ機能をもつことになります。
そして、このバランス信号をHOT、COLD別に、ボリュームを設けて、出力加算アンプに接続して演算すれば、下記の効果が出ます。
- FOCUSボリュームを回していくと、L/R信号は同位相でブレンドされ、モノラル信号に近づきます。
特に、センター定位が希薄、不安定に聴こえる音源には、ヒアリングしながら適切な操作ができます。
ヘッドフォン・ヒアリングで、L/Rがあまりにも離れすぎ、ステレオ音場効果が拡大過ぎる時には特に有効です。
このアンプにはヘッドフォン端子が付いているので、すぐ効果を味合うことができます。
- DISPERSIONつまみを回していくと、L/Rが逆位相でブレンドされる形になり、ステレオ音場が広がっていきます。
けれども、回しすぎるとフロントセンター成分を打ち消すことになるので、ヒアリングして、適切なところに設定することが良いでしょう。
上記のような効果を連続的に調整できるのは、このプリアンプだけです。
多くの音源には必要ないことが望ましいですが、ソフト側で制作上の制約があるとき、それを補正するには大変有益なアンプとなるでしょう。
いずれしても、“マイ・サウンド”を楽しむものとして補助的に使うと、思いのほかオーディオ趣味がさらに楽しくなります。
また、ゲイン12dBのアクティブバランス入力対応高音質プリアンプとして、使えます。