店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。

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Xカレント採用プリメインアンプ“MASTERS AU−900STAX/XHP”のパフォーマンス

新年のご挨拶

2015年を迎えました。みなさん、充実した日々を過ごしていると思います。
まずは、心身の健康です。気持ちの良いサウンドをお聴きになって、すてきな時間を過ごしていただくことを願っております。
2015年もよろしくお願い致します。

オーディオアンプのあるべき姿

昨年は、アドバスドZバランスアンプ、Xカレント電源回路の開発で、“アンプは電源が最重要!”、そして、アンプは“スピーカーのふるまい”を充分考慮して設計しなければならないと改めて感じております。アンプ設計者は、ともすれば、コントロール機能である増幅回路に気を取られ、上記ポイントを忘れがちです。
やはり、電源設計やスピーカー設計の経験を積んで、アンプ設計に係る事が重要と、この年になっても再認識しております。このポイントをベースに今後も邁進したいと思っております。

AU-900STAX/XHPについて

ところで、ここ2-3年、STAXのイヤーSPはじめ、ヘッドフォンヒアリングオーディオに人気があります。 
やはり、大きな音で聴けることはオーディオの醍醐味です。けれども、他人に迷惑を掛けず、自分のサウンドワールドに浸れるヘッドフォンリスニングも大きな楽しみです。

特に、STAXのイヤースピーカーの空気感漂うサウンドは素敵です。
このことは静電力(クーロン力)で振動する発音体は動電(ダイナミック)型のような逆起電力が発生しないことに関係があります。
従って、ドライブするアンプのダンピングファクターは、静電型スピーカーにとって、その再生サウンドに理論的には関係がなくなります。
静電スピーカーのダンピングは、振動膜に掛けるバイアス電位によって決まってきます。
例えば、バイアス電位を下げていくと、サウンドは柔らかい感じで少し(2dB:300VDCで)音圧が下がります。逆に、バイアス電位を上げると、振動膜の張力が増し、ダンピングが大きくなります。STAXは長年の経験とノウハウにより、最適バイアス電位を決めていると言っています。
そうなると、STAXイヤースピーカーをドライブすることでの重要ポイントは、振動膜をひずみなく動かすことです。
それは、振動膜を両側から均等に動かす(バランスドライブ)ことなのです。

MASTERSのSTAXイヤースピーカーをドライブできるアンプは、真空管方式と半導体方式とがあります。
コンパクトで、費用セーブできるXカレント採用多用途プリメインアンプ“MASTERS AU-900STAX/XHP”が最近特に人気があります。
ブロックダイアグラムに示すように、STAXイヤースピーカーのドライブ回路はクローズドループで構成され、電源(電磁波ノイズ)、アース電位に影響されることがありません。クリーンなドライブ環境で、STAXイヤースピーカーをバランスドライブします。
また、このアンプにはXカレント回路が組み込まれ、スピーカー再生にも優れたパフォーマンスを示します。また、近年、動電(ダイナミック)型の進歩は顕著で、なかなかのサウンドです。特にゼンハイザーのヘッドホンは発音体の口径が大きく、振動系マージンが充分すぎるほどあり、STAXイヤースピーカーとは対照的な切れ味の素晴らしさを感じます。
このように、多くの楽しみを1台のアンプでできてしまうことは、ハッピーなことと思いませんか!

みなさん、ともかく、楽しく、オーディオに取り組んで下さい。

MASTERS AU-900STAX/XHP”のブロックダイアグラム図
【図1】“MASTERS AU-900STAX/XHP”のブロックダイアグラム図(スイッチは省略)


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