店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。

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アンプの修理についての実情

特に、コロナ禍以降、アンプの修理のお問い合わせや修理のご依頼が多くなっております。
オークションでの動きも活発なようです。

40年~50年前のアンプの不具合の大半は、スイッチやボリュームの接触不良です。
けれども、交換部品はありませんので、ひたすら、それらのクリーニングが作業の主体になります。

それと共に、オーバーホールのリクエストがあります。

最近あったことですが、オークションで入手したアンプにノイズが出て、気になるので診てください、とのことで持ち込まれました。

このアンプに付属して、ケミコン交換・トランジスタ交換をしたとのことで、数多くの取り外し部品が一緒についてきたとのことです。
ここまで部品交換したから不良はないという、売り手側の言い分だそうです。

私の長年の経験から言わせていただくと、ケミコンはまず不具合の原因にはならないことが多いです。
極端に言えば、交換する必要はないと思います。

それよりも、ノイズを発するのは抵抗の経年劣化です。特に、ソリッド抵抗、カーボン抵抗、それも高抵抗値(10kΩ以上とか)抵抗に発生します。

このアンプはいろいろチェックしていったところ、ラインアンプの100kΩや10kΩの特にベースに接続される抵抗を交換したら、ノイズはピタリと無くなりました。
たくさんのケミコン交換は悪いことではありませんが、的を外している感があります。

このような古いアンプは、オーバーホールよりも、不具合部分を修理しつつお使いになったほうがよろしいかと思います。


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