店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。

ブログのホーム

バッテリー動作でのMASTERS BA-225FB/MOS

MASTERS BA-225FB/MOSシリーズは大変ご好評をいただいております。ありがとうございます。
8月頃、当サイトをご覧になった方からカーオーディオ用に使えないか?とのお問い合わせがありました。
クルマは12Vバッテリー電源なので、上記のアンプのように±2電源で動くアンプには使えません。どうしてもといわれる方は、DC/DCコンバーターを入手されて使う方法があります。また、クルマはエンジンの点火ノイズ等が入力から入り込んでくるので、入力にはグランドを断ち切るインシュレーション回路を挿入する必要があります。
そこで、製作者としては、上記アンプを12Vバッテリー2個使って±12Vで動作させたらどんなことになるかと興味を持ちました。
まずパワーを予測すると、アンプの電源電圧の2乗にアンプ出力は比例するので、±12Vに下がった場合、パワーは25Wから16Wに低下しますが、家庭で聴くレベルとしては少なくともスピーカーの効率が82dB以上あれば充分使えるパワーです。
ALTECやJBLのような高効率スピーカーでしたら、ガンガン鳴らすことができます。さらにホーンドライバーユニットのように110dBくらいの高効率ではパワーは大きすぎる程です。まずは実験が必要と、バッテリーを入手して、電源回路を変更してみました。
パワーを測定してみると確かに16Wくらい出ます。当然、残留ノイズは極限まで下がっています。
ひずみ率もリップル分がゼロなので、さらに良好になりました。パワーは16Wでますがバッテリーの電圧レギュレーションが優れているのでパワーゼロからフルパワーまで電源電圧の変動はほとんどありません。期待に高まるワクワク感をおさえて、バッテリーとアンプを接続しました。動作は正常です。電源ON時のショックノイズもありませんでした。
CDプレーヤーはSONY製バランス出力付のものを、キャノンケーブルで、BA-225FB/MOSのバッテリードライブ機に接続。スピーカーはTANNOY ARDEN(アルニコバージョン)に接続。音源ははじめにジャズボーカルを。はじめの一音が出たとたん、そのフレッシュさに注目です。
ピアノをはじめとするバックにサポートされたフィメールボーカルはこれまで100回以上聴いたものなのに、サウンドが新鮮なのです。
いわゆるレコーディングされ、何の加工もされていないマスターソースサウンドのように聴こえてくるのです。これまでCDというと、何となく感じていた、うすいベール感がありません。
そして、そのサウンドは瑞々しいのです。すっかり気に入ったところ、自己陶酔に陥ってないかを確認する為に、少し落ち着き、10分ほど経過後、今度はクラシック音源としました。ゲルギエフ/マリンスキーオケの“春の祭典”を選びました。
この演奏は昨年の11月に日本で実際に聴いただけに、そのサランドは耳に残っています。スタートからしばらくして、だんだんと楽器が多くなり、ついてグランカッサの一撃でfffに到ります。このフィリプスCDは大変評判の高いものですが、これまで聴いた以上に、コンサートホールでの生々しいサウンドが聴けたのです。それも、ホール前席の、真ん中で聴くような快感でした。
あとは、次々と聴きなれたソースを聴きました。結論として、オーディオアンプは電力をオーディオ信号に応じてスピーカーに供給するキカイであるだけに、電源の質が大切なのです。商用電源から入り込むノイズ、整流時のリップルの存在、電源レギュレーションetcの問題が一切なくなるのです。
さて、マスターズとしてはどうすべきか?とりあえず、BA-225FB/MOSの電源トランス、整流ダイオードを取り除き、外部電源入力をキャノンケーブルで接続する事を考えました。バッテリー、バッテリー充電器は外部とし、これらの選択はお客さんの自己責任において選定し取り扱ってもらうこととしました。
従ってある程度のオーディオとバッテリー知識のある方にこのアンプはおすすめします。興味のある方はお問い合わせ下さい。
さて、このような経済危機にあって、マスターズでは材料費アップのなかにおいても、できるだけプライスセーブに徹することに努力しています。定価は何とか¥11万をきりたいと奮闘中です。ご期待下さい!!


ブログのホーム