店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。

ブログのホーム

オーディオアンプの動作状態についての考察:NFBとS/N比

オーディオアンプは、音楽・音を、スピーカを通して出して聴いて楽しむものです。
趣味・道楽であるからこそ、いろいろな方式、主義主張があって良いと思っていますが、作り手側はそれなりの見解を持っているべきと思っています。
山水電気在籍時や、いろいろなオーディオブランドの委託設計に際して、上記事項について議論とか検討をしたことが懐かしいですし、現在も尽きることはありません。
まず、NFBについては、オーディオ誌では、NFBを必要悪とか、掛けないことが美徳のように書かれていることも少なくありません。
NFBは、H.Sブラックさんがパテント取得以後、あらゆる分野で採用されています。アナログレコードのカッティングでは、MFB(機械的NFB)を掛けないとレコード原盤ができないのでした。学問的には、ボーデやナイキストにより、NFBの安定動作についての考察がかなりなされてきて、現在も、これらの理論での検討結果でNFBの動作確認しています。
一方、そのような面倒なことはやめて、NFBなしにしようとすると、真空管アンプでは、それは簡単に実現できますが、まず、NFBを掛けないと、残留ノイズで、ノイズが音楽を邪魔して、楽しむことが難しくなります。よく、NFBを掛けるとS/N比が改善されると、オーディオエンジニアやオーディオ評論家に間違った認識があるようですが、S/N比はNFBのありなし、NFB量で変動することはありません。なぜなら、NFBを掛けるとその分ゲインが減るので、S/N比は変わらないのです。ノイズは、NFBを掛けると残留ノイズレベルが下がるので、リスニング時の妨げにならないのです。
逆に言えば、効率の低いスピーカをお使いならば、ノイズレベルは聴えにくくなるので、NFBは掛けなくともノイズの面からは問題はありません。ひすみ改善、DF(ダンピングファクター)については別として。


ブログのホーム