店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。

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MASTERS BA-205BWSの開発経緯

今月発売したばかりの新製品、パラシングルパワーアンプ”MASTERS BA-205BWS”についてお話し致します。

昨年発売した、”MASTERS BA-202BW”は、低内部抵抗管5998を採用したシングルアンプでした。わずか2.5Wながら、なかなか生意気な良いサウンドを出し、オーディオアクセサリー誌の紹介記事において、好評を得ました。数台の注文、販売の後、ユーザー様から、「このサウンドの延長線上で更にパワーアップして欲しい」という、リクエストをいただきました。”MASTERS BA-205BWS”はこれに応えて実現したものです。5998をパラシングルと、他に例を見ない構成は、どんなサウンドが出てくるか設計者としても興味津々でした。

結果、パラシングル構成によって、アンプ内部抵抗が1/2となり、更なる低ひずみ、また、歯切れの良さが抜群なパフォーマンスを示すのはびっくり致しました。

真空管アンプながら、「切れの良いサウンド」と「真空管特有のこくのある味わい」を望む方にはぴったりです。さらに、残留ハムノイズが0.3mV以下というのは、ニア・フィールドヒアリングや高効率の大型スピーカに最適です。

このアンプの特長は、世界に例の無い”プレート配線と二次巻き線とを一緒に巻いたバイファイラー巻きトランス”の威力がこの構成で更に発揮されたのだと思います。

ではどうして、バイファイラー巻きトランスはこれまで、できなかったのでしょうか?かつて、日本のケーブルの絶縁が悪くて、とても2本一緒には巻けませんでした。その時から数十年経た現在では、日本のケーブルの絶縁技術は世界一の信頼性があります。それでも、多くのトランスメーカーがやらないのは、これまでのトラウマもあったからでしょう。しかし、最後の決め手は職人の技術です。相互の巻き線を傷つけないように、注意深く巻ける方はほとんどいないに等しいと思います。このトランスは練達の職人の腕によって、出来上がったわけですが、安全のため、巻線間で300V以上の電圧差は生じないアンプ設計にしております。

当社は、”ユニークだから”とか、”世界初”とかで、高価な値付けはしない方針です。ネットでの通信販売直販に徹しているのも、オーディオ販売店が仲介した場合の利益(通常25%)を、オーディオファンの皆様に還元したい気持ちがあるからです。それでも、”やはり、音を聴かないと、・・・”とおっしゃる方は、当方の工房(千葉市美浜区)にお越しいただいて、視聴いただくことも可能です。(その場合、セキュリティ確保や、対応させていただく担当者のスケジュール調整等のため、必ずご予約をお願い致します。)

遠方の方は、購入してみてどうしても気に入っていただけなければ、クーリングオフ期間(8日間)内で返送いただければ、返金致します。(但し、お客様のご都合による返品・交換の送料は、お客様のご負担でお願い致します。これは、交通費をご負担いただいて視聴にお越しいただいているお客様とのバランスをとるためにもお願いしております。)どうぞ、通信販売のメリットを最大限ご利用ください!

また、当方のオーディオ界での長いキャリアの目で見て、「十分に良い」と判断したものだけを提供しているつもりです。

どうかその点もご考慮いただいて、ご検討いただければ幸いです。


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