Audio Spiceブランドのパワーアンプ”BA-D205MK”についてのお問い合わせを多くいただいています。そこで今回は、このアンプについて、ご紹介させていただきます。
このアンプの回路構成は、クエストアメリカ社(米国ニュージャージー州)において、基本回路の提示があって、マスターズサイドで具体設計を担当し、シャーシ、トランス類、パワー管などを選定しつつ、試作機を組み上げました。
このユニークな回路は、前段ドライバ回路のB電圧の上に、パワー管のカソードバイアス回路が重なる方式で、小亀の上に親亀が乗ると言えば、大体、想像が付くと思います。
そうすることによって、前段からパワー管出力まで、ダイレクト構成となります。ダイレクト構成回路として、かつて、「ロフチン・ホワイト回路」が有名でしたが、”BA-D205MK”はそれとは異なります。
電源を2構成用意することで、費用・スペース・重量がかさむことが難点です。
更に特筆すべきポイントは、ドライブ管の負荷にプレートチョークを採用したことにより、電圧降下が大幅に低下して、その分、パワー管を強力にドライブできます。すなわち、よく採用されるカソードフォロアー回路よりも低い内部インピーダンスでパワー管をドライブできるということです。
結果として、”BA-D205MK”はパワー管が2A3にも関わらず、5Wの出力を取り出すことができました。そして、出力はどこまでもクリップせず、丸くなるので、「ひずみ感が発生しない」という特長もあります。すなわち、コンプレーサー機能も有していることになります。
このアンプの試作機では重さが20kgを超えていました。
最初に製品として世に出したものは、23kgのウエイトを記録しました。このアンプをご購入いただいた方は、ソニーのプロ用大型モニタシステムをお持ちです。これは、40cmウーファ、2インチホーンドライバからなる、総重量60kgを超えるものです。私も、このスピーカーシステムにおいて、実際に試聴させたいただき、パワフルにドライブできることを確かめさせてもらいました。製作者として非常に嬉しい限りです。アメリカのオリジナル回路提供技術者も大変喜んでおりました。
なお、アメリカサイドでは、100万円以上の高級アンプにこの回路を搭載して、好評を得ております。
また、”BA-D205MK”の今後は、出力トランスを橋本製のものに切り替えます。価格は据え置く予定です。
更に、パワーアップした、”300B搭載機”も計画中です。
是非ご期待ください!!