店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。

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オーディオ趣味のはじまりから

ラジオブームからオーディオブームへ

いろいろありました!

古くは、終戦後、アメリカからの文化、とりわけ、音楽がどっとFENを通じて、日本人にもたらされました。
戦時中の情報統制に餓えた日本人は、情報を求めて、空前のラジオ製作ブームが起こりました。
勿論、ラジオはまだ売ってないから、米軍放出を中心とする部品が神田闇市から流れ出し(現在の秋葉原部品街の始まり)、ラジオを作れる人は貴重で、かつ、それなりに稼いだようです。
ちょうど、その頃、スーパーヘテロダイン回路が普及し、受信品質が格段に向上しました。
FENはAM電波の中心に居座り、従って、アメリカからの音楽、とりわけ、ジャズミュージックに触発された日本人は多かったです。
駐留軍の慰安にまがいなりにもジャズ風なミュージックをできる日本人はそれなりに稼いだようです。

これらのミュージシャンが日本の放送番組に登場するようになってきました。
1955年にはラジオ東京(現在のTBS)が開局しました。文化放送、日本放送、ラジオ関東(現在のラジオニッポン)、そして、全国にAMラジオ放送局が開局しました。
AMラジオ帯は、ほぼ10kHzごとに電波が割り当てられ、すぐに満杯になりました(現在は9kHzごと)。
それらの音楽番組には、歌謡曲だけでなく、ジャズ番組も人気が高かったです。
民放開局後、人気を博したのは、“ビッグフォア(1953年結成)”でしたその構成はドラム:ジョージ川口、ピアノ:中村八大、ベース:小野満(のちに上田剛に交代)、テナーサックス:松本英彦)。
さらにドラムスの名手、白木英雄の登場もあって、第一次ジャズブームと言われる現象が生まれました。
ピアノの穐吉敏子、テナーサックスの渡辺貞夫等の皆さんが、本場、アメリカに進出して、評価されました(現在も健在です)。

1958年にはアメリカでステレオレコードが登場して、日本においても人気を浴び始めました。
当時、¥9,000程度の給料で、ステレオレコードは¥2,000以上しました。
それでも、本格的なクラシック音楽演奏に餓えた若者は買えず、“名曲喫茶”なる喫茶店で粘って、むさぼるように聴いていました。
1961年、上野に文化会館ができて、イタリア歌劇団来日で、ますますクラシック音楽の人気は高まりました。
勿論、私はまだ学生で、レコードを買うことは大変で、中古レコード店で何とか少しずつ、買っていました。

また、たまにコンサートには行きましたが、N響、東京フィル、日フィルにしても、現在に比べれば下手で音もきれいでありませんでした。

1963年にはFM東海(FM東京の前身)からステレオFM放送が開始され、ここから、オーディオブームが起こったと言えましょう。
“FMファン”、“週間FM”、“FMレコパル”等のFM週刊誌が発売され、いわゆる書き手であるオーディオライターが誕生しました。
さらに“ステレオサウンド”、“ステレオ”、“ステレオ芸術”、“オーディオ専科”、“オーディオピープル”、“オーディオアクセサリー”等のオーディオ誌が相次いで発刊されました。
これらのオーディオ誌に健筆をふるった方々の、懐かしい方々の名前を挙げてみましょう。
岡俊雄、瀬川冬樹、井上卓也、長島達夫、山中敬三、菅野沖彦、上杉佳郎、長岡鉄男、斎藤 宏嗣、金子英男、江川三郎、高島誠の皆さん。
そして、今も健在な石田善之、藤岡誠、福田雅光、柳沢功力の方々。

このころの主な話題は“海外コンポ”、“国内コンポ”と分かれ、主にステレオサウンド誌は海外、他の諸誌は国内のほうが多かったようでした。
紙面は、多くは比較ヒアリング、組み合わせヒアリングに人気がありました。

そして、ハード面では、パイオニア、サンスイ、トリオのオーディオ御三家が上場企業になっていました。
勿論、SONY、TEAC、AKAI、オンキョー、テクニクス、電蓄ブランドのデノン、JVC、そして、スタンダード→マランツ。
カートリッジからのグレース、ニート、オーディオテクニカ、FR、SUPEX、などなど。
また、儲かるとみた大手家電メーカーは、東芝→AUREX、三菱→ダイヤトーン、日立→Lo-D、シャープ→オプトニカ、サンヨー→オットー、NEC→オーレックスと参入し、オーディオは日本中の人気を集めました。
何と、その頃には、皇太子(現上皇)様のオーディオフェア見学もありました。
オーディオ取扱店は全国で2000店を超えていました。

クラシックとジャズの違い

ところで、皆さん、どのようなきっかけで、好きな音楽が決まってきますか?
クラシックとジャズはいったい何がちがうのでしょうか?

クラシック音楽の特長とは

とくに、バロック以降、メロディにメロディが重なる手法(対位法:カウンターポイント)が取り入られるようになり、それに楽器種類が増えたことによって、さらに、ハーモニーが重なり、その傾向が増しています。
それに調性(ドレミファ音階)が重視されて(交響曲名称に例えばイ短調と付記されます)その傾向が強まります。
その傾向はワグナーの“トリスタン”での半音階手法で大きな転機を迎えます。
そしてシェーンベルクの12音階(すべて半音を含む)になって、現代音楽の停滞になります。
リズムが軽視された音楽です。オーケストラに常時、ビート(拍動)を維持する楽器はありません。
拍手で、ビートを意識出来る曲は“ラデツキーマーチ”くらしかありません。
皮肉な話ですが、全体のリズム進行を維持するために、クラシックでは指揮者は不可欠な存在なのです。

18世紀、ヨーロッパ音楽界に大きな影響を与えたのがオスマントルコの軍楽隊を基本とするリズム重視音楽です。
モーツアルトには“トルコ行進曲”、“トルコ風”V協奏曲があります。
ベートーベンに至っては、第9の4楽章、最終場面では、トルコ軍楽隊調になって、にぎやかになり、そして、また、ベートーベン音楽に戻って終わります。

ジャズ音楽の特長とは

奴隷としてアメリカに連れてこられた黒人にドレミファ音階を教えてみると、違った音階を好んで、それが広まりました。
これを白人たちはブルーノートと言い始め、定着しました。
具体的には、ド、レ、♭ミ、ミ、ファ、♭ソ、ソ、ラ、♭シ、シ、となり、半音階が多く、12音階に近いように思えます。
このような音階をジャズは多用するので、クラシック音階とかなり違う感じになります。

余談ですが、“ノート”と言う意味は、音楽的には音符、例えば、4分音符は“quater note”と言います。

オーディオノートとかソウルノートという会社名には音楽センスがあり、好ましいと思います。
この2つとも日本のオーディオ会社の、それもアンプブランドネームです。

ジャズはビートが常に意識される音楽です。ドラムスは常にビートを出し、ベースもはじき(ピッチカート)奏法です。
このあたりで、クラシック好きとジャズ好きとが分かれるはじまりのようです。
ジャズの物足りなさは、メロディに乏しいことです。ほかのジャンルからの主題(メロディ)を展開させて、さらにはアドリブを重視する傾向の音楽です。
この一種、ビートの効いた変奏と言える音楽が大好き→ジャズ好きということには異論がありません。

近年の音楽では、ビート重視はさらに進み、ソウルミュージックでは16ビート(16部音符が16)が普通になりました。
スクラッチを中心とするDJとかもはやりましたね。
さらに、近年ではメロディが無いに等しいヒップホップがもてはやされています。
ロックミュージックもビート中心です。ドラムス、エレキベースのビート楽器が必須の存在です。

ご意見をお待ちしております

これからの音楽シーンはどうなっていくんだろう?

そして、オーディオファイルはどのように音楽を楽しんでますか?

お問い合わせフォームを利用して、ご意見を伺えたらありがたいです。


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