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【MASTERSブランド】
AU-600G/JBL
AU-600G/JBL
1960年代後期に登場した画期的アンプ“JBL SA-600”の改良回路を搭載したアンプ!
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店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。
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MASTERS AU-900Xシリーズに台数限定のトランジスタ搭載・新型アンプ登場!

MASTERS AU-900Xシリーズにトランジスタ搭載・新型アンプ登場!

デバイスの違い

これまで、私自身、MOSFETに魅力を感じてきましたが、周囲の声を聞いてみると、“トランジスタサウンドはやや地味かも知れないけど、落ち着きのサウンド!”という声が少し気になってきました。
また、半導体デバイスの入手はますます厳しくなってきています。特に、昔ながらのTO-3タイプのパワートランジスタは、日本での生産が完了してから、すでに40年の年月が流れました。パワー半導体の構造として、メタルで密閉され、かつ内部に乾燥剤が封じ込まれたTO-3タイプは、湿気が入らず、樹脂モールドタイプよりも優れています。けれども、TO-3は見た通り、製造コストが掛かり、かつ、実装するためのヒートシンクへの取付構造が複雑で手間がかかります。
けれども、今でも、TO-3のトランジスタに魅力を感じているオーディオファンは存在するようです。

当社には、多くない在庫ですが、TO-3タイプがあります。従って、限定販売のかたちで、上記シリーズにトランジスタ搭載の新型アンプを発売することを計画しております。

試作検討に成功

昨年末から、トランジスタ搭載アンプに試作検討を継続して参りましたが、1月中旬、新製品として売り出すことができるパフォーマンスになりました。
確かに、出てくるサウンドは“落ち着き、おだやか、深み”があるように感じます。MOSFETのほうが同じ回路において、華やかな印象があります。

電気的性能は同じと言える高性能です。こうなると、少数キャリアで動作するトランジスタと多数キャリアで動作するMOSFETとの物性上の違いによるサウンドの違いは、理論的には説明が付きませんが、オーディオヒアリングでは感じ取れます。

限定発売する具体なアンプについて

まずはXカレント回路でのAU-900Xシリーズのなかで、パワートランジスタ搭載機種を発売します。
最初に搭載するTO-3パワートランジスタは、写真に示すように、サンケンの2SC1586/2SA909を採用します。このパワートランジスタは大型で、耐圧200V、ICMAX:15Aの容量があり、本来は100W級のパワーアンプに充分使えるデバイスですが、あえて20W以下のアンプに有り余るマージンを持って使います。パワートランジスタに詳しいWestRiverの川西氏の、評価高いパワートランジスタです。

いずれしろ、あたらしいMASTERSサウンドに興味を持ってくださる方は、どうぞ注目下さい。

なお、工房において、試作機での試聴は予約いただければできます。
いずれしろ、このデバイスの在庫が少ないので、尽きたときは次のTO-3型トランジスタを採用する予定です。
 
これまでのオーディオ用東芝MOSFET、2SK405,2SJ115搭載アンプの注文は継続して受付けて、製作致します。
 
参考

トランジスタはバイポーラー素子、MOSFETはユニポーラーと呼ばれます。トランスジスタはキャリア2個(ホール,電子)が関係し、ベース付近で再結合し、その弊害のために、高周波特性に限界があり、スイッチング電源にはトランジスタが使えません。MOSFETの世界です。
けれども、オーディオ周波数領域では、充分に使えて、MOSFETが登場した近年でも、オーディオアンプに今なお採用されていますが、生産はかなり縮小されている昨今です。

MASTERS AU-900X/TR

MASTERS AU-900X/TR

トランジスタ採用!Xカレント回路搭載プリメインアンプ“MASTERS AU-900X/TR”のイメージ

MASTERS AU-900X/TR
TO-3パワートランジスタ サンケン 2SC1586/2SA909


Xカレント採用プリメインアンプ“MASTERS AU−900STAX/XHP”のパフォーマンス

新年のご挨拶

2015年を迎えました。みなさん、充実した日々を過ごしていると思います。
まずは、心身の健康です。気持ちの良いサウンドをお聴きになって、すてきな時間を過ごしていただくことを願っております。
2015年もよろしくお願い致します。

オーディオアンプのあるべき姿

昨年は、アドバスドZバランスアンプ、Xカレント電源回路の開発で、“アンプは電源が最重要!”、そして、アンプは“スピーカーのふるまい”を充分考慮して設計しなければならないと改めて感じております。アンプ設計者は、ともすれば、コントロール機能である増幅回路に気を取られ、上記ポイントを忘れがちです。
やはり、電源設計やスピーカー設計の経験を積んで、アンプ設計に係る事が重要と、この年になっても再認識しております。このポイントをベースに今後も邁進したいと思っております。

AU-900STAX/XHPについて

ところで、ここ2-3年、STAXのイヤーSPはじめ、ヘッドフォンヒアリングオーディオに人気があります。 
やはり、大きな音で聴けることはオーディオの醍醐味です。けれども、他人に迷惑を掛けず、自分のサウンドワールドに浸れるヘッドフォンリスニングも大きな楽しみです。

特に、STAXのイヤースピーカーの空気感漂うサウンドは素敵です。
このことは静電力(クーロン力)で振動する発音体は動電(ダイナミック)型のような逆起電力が発生しないことに関係があります。
従って、ドライブするアンプのダンピングファクターは、静電型スピーカーにとって、その再生サウンドに理論的には関係がなくなります。
静電スピーカーのダンピングは、振動膜に掛けるバイアス電位によって決まってきます。
例えば、バイアス電位を下げていくと、サウンドは柔らかい感じで少し(2dB:300VDCで)音圧が下がります。逆に、バイアス電位を上げると、振動膜の張力が増し、ダンピングが大きくなります。STAXは長年の経験とノウハウにより、最適バイアス電位を決めていると言っています。
そうなると、STAXイヤースピーカーをドライブすることでの重要ポイントは、振動膜をひずみなく動かすことです。
それは、振動膜を両側から均等に動かす(バランスドライブ)ことなのです。

MASTERSのSTAXイヤースピーカーをドライブできるアンプは、真空管方式と半導体方式とがあります。
コンパクトで、費用セーブできるXカレント採用多用途プリメインアンプ“MASTERS AU-900STAX/XHP”が最近特に人気があります。
ブロックダイアグラムに示すように、STAXイヤースピーカーのドライブ回路はクローズドループで構成され、電源(電磁波ノイズ)、アース電位に影響されることがありません。クリーンなドライブ環境で、STAXイヤースピーカーをバランスドライブします。
また、このアンプにはXカレント回路が組み込まれ、スピーカー再生にも優れたパフォーマンスを示します。また、近年、動電(ダイナミック)型の進歩は顕著で、なかなかのサウンドです。特にゼンハイザーのヘッドホンは発音体の口径が大きく、振動系マージンが充分すぎるほどあり、STAXイヤースピーカーとは対照的な切れ味の素晴らしさを感じます。
このように、多くの楽しみを1台のアンプでできてしまうことは、ハッピーなことと思いませんか!

みなさん、ともかく、楽しく、オーディオに取り組んで下さい。

MASTERS AU-900STAX/XHP”のブロックダイアグラム図
【図1】“MASTERS AU-900STAX/XHP”のブロックダイアグラム図(スイッチは省略)


STAX静電型イヤースピーカーとバランスドライブ

スタックスイヤースピーカーは、みなさんご存じのように静電型スピーカーです。

スタックス工業時代からですと、70年以上の実績があります。また、世界でもオンリーワンと言って良いほど、静電型イヤースピーカーを造り続けている貴重な会社です。

私も、SR-3(40年以上前)時代からの愛用者です。
また、(有)スタックス社長・目黒氏はサンスイ時代からよく知っている仲です。
そのような背景もあって、マスターズでは、10年近く前から、スタックスイヤースピーカーをドライブできるアンプを開発、製品化しております。
特に、イヤースピーカーだけでなく、同時に、通常のスピーカーやヘッドフォンも使える多用途アンプをモデルチェンジしながら、長期間、ご注文が継続しております。幸い、好評を得て、好調な製作を継続しています。

さて、静電型スピーカーの動作原理及び基本構造は、【図1】に示すように、中心に振動膜があり、その振動膜には高圧(300V以上:現在は580V)電圧(バイアス)を掛けておきます。
両側に固定電極(これは音が通るように、穴が開けられて(開口率は高い)が置かれ、固定電極は0Vにしておきます。そうすると、振動膜はクーロンの静電力によって、バイアス電圧に応じて、張力が働き、ピンと張られます(バイアス電圧が高いほど張力は高くなる)。固定電極にオーディオ電気信号を加えれば、振動膜は振動し、音になります。
両側の固定電極にはHOT,COLDのバランス信号が加えられますが、原理的には、片側の電極だけにオーディオ電気信号を加えても音が出ます。
STAXイヤースピーカーは両側の固定電極から、バランス電気信号を加えて、バランスドライブ(プッシュプルすれば、片側電極からは引っ張り、片側電極からは押す力が働き、より振動膜はパワフルに、リニアに、ひずみ少なく、振動して、良いサウンドになるわけです。音圧は6dBアップします。)、静電力は振動膜全体に発生し、ダイナミックタイプのようにボイズコイルに駆動力が働くわけではなく、全帯域にわたって、ピストンモーションが得られます。
静電型スピーカーはこのような動作原理で、品位高いサウンドが出るわけです。

一方、ダイナミック(動電)型スピーカーのドライブはスピーカーボイズコイルには両側(巻始め、巻終わり)に端子(電極)があるのに、通常アンプの出力は片側の電極は接続され、残った電極はグランド(アース)に落としてしまい、いわば片側ドライブになっています。
このことに関して、長年、アンプ技術者、オーディオファンは、あまり問題意識を持たないようです。これは、アンプを電気測定して一応の結果が得られ、スピーカーが動き、音が出ることで、それなりになっているのでしょう。

最近の私の解析では、整流回路を持つアンプは、Xカレントのような工夫を施さないと混変調ひずみが発生することが分かりましたが、このことはほとんど知られておりません。
そのようなわけで、私は、バランスドライブアンプの優位性を主張しますが、アンプを片chあたり倍、必要になるので、費用の点で困難なら、せめて、Xカレント回路を搭載したアンプをお勧めします。
真空管アンプにおいても、せっかくのプッシュプルアンプも出力トランスによって、バランスドライブから、片側(アンバランス)ドライブになっているのはもったいないことです。マスターズの真空管アンプでは、出力トランス2次側で、スピーカーをバランスドライブできるようなバランスフィードバックを施した真空管アンプになっております。

なお、マスターズアンプでの多用途STAXイヤースピーカードライブアンプのブロックダイアグラムを【図2】,【図3】に示しておきます。

静電型スピーカーの動作原理及び基本構造
【図1】静電型スピーカーの動作原理及び基本構造

静電型スピーカーの動作原理及び基本構造
【図2】新開発“Xカレント回路”を搭載!STAXも通常型ヘッドフォンも聴ける多用途プリメインアンプ“MASTERS AU-900STAX/XHP” ブロックダイアグラム

静電型スピーカーの動作原理及び基本構造
【図3】STAXイヤースピーカ/ヘッドフォン バランスドライブアンプ“MASTERS SX-3000BD” ブロックダイアグラム

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