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真空管アンプのバイアス電圧とゲインの関係

半導体アンプゲインはNFB量で決まるので、L/Rゲイン差の心配はまずない

ご存じのように、真空管アンプは半導体アンプと異なり、多量のNFBはアンプの安定度に悪影響を与えます。
また、そのためか、多量のNFB(20dBくらい)を掛けた真空管アンプの音質は表情が硬くなり、多くの方が聴いてわかるほどです。
但し、NFBループ内にトランスの入らないSEPP回路の場合は、それほど悪化せず、むしろ残留ノイズ、ひずみ率が向上しますが、音質はイマイチハードな傾向になります。

ちなみに半導体アンプでもあまりにも(50dB以上のような)多量NFBアンプでは音質表情がハードになります。
そのため、位相補償をおこなって、高域に行くにしたがってNFB量が減るような手法を採用するのが通常です。

MASTERSのMOSFETアンプのNFB量は少なく、せいぜい30dBです。

従って、半導体アンプでは、アンプゲインはNFB量で決まるので、MFB抵抗の誤差だけ考慮すればよくなります。

真空管における出力管の差し替えによる注意ポイント

さて、話を戻して、出力トランス付きの真空管アンプでは、上記の理由により、NFB量は少なくしております。
多くとも8dB程度、平均すれば、3~6dBと少ない設計となっております。
そうなると、アンプゲインはバイアス電圧との相関が大きくなります。具体的には、バイアス電圧を大きく(深く)すれば、アンプゲインは下がります。

L/Rチャンネルのゲインを合わせるためには、バイアス電圧を微調整する必要があります。もちろん、使用する真空管の特性が合っていれば、このような調整が不要です。
けれども、L/Rゲインを±0.1dB以内と厳しく合わせていくと、無調整というわけにはいきません。

セルフバイアス方式なら、ゲインが合うということは固定バイアス方式よりも緩くなりますが、それでもL/Rゲインの差異はパワー真空管特性により生じてきます。
さらに、前段真空管のゲインも、パワー真空管よりばらつきは少ないですが、同じブランドでも±0.2dB程度のゲイン変動があります。
普通の聴力の方なら、±0.5dB程度のL/Rバランス差は許容できる範囲です。

そこで、どうしても真空管の差し替えをしたい方は、L/R別ボリュームやL/Rバランスボリュームを付けることをお勧めします。

また、リスニングルーム特性、スピーカー特性のばらつきによっても、L/Rサウンドの大きさは出ます。


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