店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。

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戦後日本の音楽系譜

戦後直後の音楽の流れ

これまでブログで戦後直後の音楽の流れを少し記述しました。

1960年代頃まで、日本のポップシーンは欧米、特にアメリカからの音楽の影響を強く受けて、ラジオ放送ではその紹介が主な内容でした。

私の感じでは、1970年代になって、ステレオ装置が家庭に普及し、ステレオレコードを聴くようになったり、さらにTVで音楽番組に人気が出てきたりして、日本人の作詞、作曲による音楽がメインとなってきました。

各レコード会社での録音、レコード化がホットになってきました。

日本の音楽シーン

演歌では、遠藤実、船村徹に名曲が生まれました。

そして、ポップな音楽の流れを汲んだ、筒美京平、三木たかし、浜圭介、平尾昌晃、宮川泰、いずみたく、村井邦彦、浜口庫之助、すぎやまこういち、川口真、小林亜星、猪俣公章、都倉俊一などなどです。

そしてフォークの流れもあるシンガーソングライターから名曲が生まれました。ユーミン、宇崎竜童、桑田佳祐、吉田拓郎、南こうせつ、来生たかお、谷村新司、堀内孝雄、小田和正、五輪まゆみ、中島みゆき、宇多田ヒカル、と欧米音楽はサブ的存在になってしまったと思ったら、ラップミュージックの影響が近年のポップミュージックの中心になりつつあります。

このあたり、これまでの日本音楽に愛着を覚えた世代といわゆる団塊ジュニア世代との乖離が始まっているようです。

一方、古賀正夫、遠藤実、船村徹等作曲の演歌は下火になってしまいました。やはり、四・七抜きの演歌5音階からはこれ以上、ユニークなメロディは生まれないのでしょうか。
近年、演歌歌手は苦労しています。売れる気配はなかなかないのでしょうか?
何か、東南アジアからの近親音階をアレンジして、魅力あるメロディが生まれることを期待します。

そして、日本が世界に誇るアニメにアニメミュージックというジャンルが出てきて、若い方々に人気がありますが、団塊世代中心の方々は付いていけません。私もその一人です。

クラシックジャンル

話をぐっと、上記音楽から遠くなる音楽として、クラシックジャンルはいかがでしょうか?

戦後のにぎわいはワルター/コロムビア交響楽団から始まったと言えるでしょう。
引退したワルターのために録音用オケでステレオ録音したレコードは日本では空前のヒットとなりました。

ストリングスはわずか2プルト(各4人)にも関わらず、それなりにきれいな音で録れています。ベートーベン“田園”は大ヒットになりました。

そのうち、DECCA(ロンドン)のカルショウ/ゾフィエンザール/ウイーンフィルのシリーズは、録音の良さとオペラ(特にラインの黄金)、有名曲で、好評を博しました。

私もお小遣いを工面して買いました。そのうち、カラヤン/ベルリンフィル、バーンステイン/NYフィル、クレンペラー/フィルハーモニア、録音が多かったロンドン響、アムステルダム、フランス国立、ボストン交響、などなど、素晴らしい名演、名盤がいっぱい。

ところが、CDが出てきた1982年以降、デジタル録音ソースに切り替わり、新規需要をレコード各社は見込んでいました。
ところが、次々とCD盤が登場しましたが、どうも、魅力ない違和感のあるサウンドだったと思います。  

そのような状況で、SACD(100kHzまで再生できる)が登場しましたが、それも期待したほどではありませんでした。

次第に、クラシックレコード会社は解散・統合するはめになって、今や、大手はユニバーサルミュージックにシュリンクせざるを得なかったように思えます。

当然、費用のかさむオーケストラのセッション録音は激減して、コンサートと同時、いわゆるライブ録音ものをリリースしているのがここ20年の傾向です。

もちろん、近年のクラシック演奏がカラヤン、バーンステイン等の名指揮者に及ばないことも影響していることは確かです。

アナログマスターテープから、マスタリング作業でリリースしたソースは評判が良く、ますます、新セッション録音がやりにくくなってきています。

音楽ソフトあってのオーディオ趣味です。

若い方々は、すでにクラシックでも新しいジャンル(例えば、ピアノソロ、ギターソロ等)に魅力を感じているのではないかと勝手に推測してます。

年寄の独り言で、“昔は良かった!”ということで済めば良いと思ってます。


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