店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。

ブログのホーム

パッシブ・プリアンプで体験したこと

今秋、発売したパッシブ・プリアンプ“MASTERS CA-777S”、“MASTERS CA-999FBS”が好評です。

作り手側の私は、自己陶酔に陥らぬように、出来上がってのヒアリング・チェックは努めて客観的におこなって、充分なパフォーマンスを発揮していることを確認して、出荷しております。

最近では、バランス型パッシブ・プリアンプCA-999FBのカスタムの注文を受けました。これは究極の形というべき、モノラルタイプで入力、出力ともに1系統です。このところチェックに聴いているCDのうちの1枚に、“ケルテック・ウーマン”というアイルランド録音のCDがあります。おなじみの“ダニーボーイ”のも入ったりして、とても日本人の琴線を刺激する音楽がいっぱいです。

これまではスタジオ録音音源ですが、“良いサウンド”であるけれども、そこそこな出来栄えと思って聴いていました。上記のパッシブ・プリアンプで聴き流しているうちに、段々とわたしの聴覚はそのサウンドに引き付けられていきました。これまで聴こえてこなかったサポートする楽器音やハーモニー、コード展開がよく聴こえるのです。それを、いかにも、録音場面で、おそらくこうやって録って、こうやってミクシングして、こうやってイフェクターを掛けている!という有様が想像できるようなサウンドパーフォマンスなのです。このときのパワーアンプがバッテリードライブアンプでしたから、なおさらリアルに聴こえたのかもしれません。

そうこうしているうちに、CA-777Sを購入なさった方から、2週間を経過してレポートをくださいました。CDと真空管アンプの間にこのパッシブ・プリアンプを入れてお使いです。

それを要約すると、

フィリップスLHH700と真空管アンプの間に入れていますが、音の切れ、厚み、輪郭、音像が素晴らしいです。
CDがこんなにも情報が詰まっているとは思いませんでした。
それに電源が必要ないのも良いです。
末永く使わせていただきます。

ということでした。確かに、ノイズのない、ひずみのない、電磁波ノイズのない、究極リアルサウンドと言えましょう。
けれども、オーディオはリアルサウンドだけを楽しむものではありません。音楽全体をデフォルメしたり、ある部分を抜き出して聴かせるサウンドも、オーディオ趣味にとっては意味あることなので、私はいろいろなサウンドがあって良いと思いますが、今回の体験には驚きました。

それでは、良いお年をお迎え下さい。イシノラボは、来年もユニークでリーズナブルな価格で皆様に喜んでいただくことを目指します。

“MASTERS CA-777S”のカスタム仕様画像です。
これは、L/Rのレベル差を細かくコントロールする目的の特注品です。
いろいろなカスタム仕様に対応できますので、お気軽に問い合わせ下さい。
MASTERS CA-777S CUSTOM


ブログのホーム