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ご購入ユーザーの方々のコメント

マスターズのアンプを購入された方々の感想を、匿名で掲載させていただきます。オーディオアンプに興味がある方のご参考になれば幸いです。

イシノラボのホームページに私はいろいろと書かせていただいておりますが、やはり、第三者の方のご感想は貴重と思います。

バッテリー電源駆動のフォノイコライザ

バッテリー電源駆動のフォノイコライザを注文されたN様からのメール(原文)です。

フォノイコライザーアンプは完全なノイズフリーとなり、LP再生でカートリッジの性能が息を吹き返したようです。トランス式パッシブプリアンプはスピーカーをとても良く鳴らしてくれます。音源の密度が格段に向上したように聞こえます。バイオリンがまるで名器を奏でるような印象でした。真空管アンプで聴いていますが、是非にもイシノラボのパワーアンプを組み入れて楽しみたいと思います。これまでにかなりの重量物(100kgを超えるスピーカー、パワーアンプなど)で難儀してきました。

平野 様、ありがとうございます。楽しみにして待っていました。フォノアンプもトランス式アテニュエーターもスピーカーから素晴らしい音を出してくれています。スピーカーがこれほどまでに良い音を出してくれるとは思いませんでした。コンパクトな機器ですが、とても上質で上品な趣です。今度のパワーアンプもとても期待しています。

バッテリー電源駆動のフォノイコライザーを注文されたN様からのメール(原文)

トランス式パッシブプリアンプ“CA-999FBG/FM”

トランス式パッシブプリアンプ“CA-999FBG/FM”を購入されたK様からのメールです(原文)。

“CA-999FBG/FM”は、トランスコア材料にファインメットを採用したカスタム品です。

開封して色々聴いています。
古い製品ですが発売時50万のプリアンプと比較してこんなにも差があるものかと驚愕しました。
パワーアンプが御社のブログにも出て来るサンスイのB-209 The Tubeなのですが、初めて本当の力を発揮させてあげられたと嬉しく思います。
この製品に出会えて良かったです。

トランス式パッシブプリアンプ“CA-999FBG/FM”を購入されたK様からのメール(原文)

【訃報】

高品位ケーブルを作り、好評を博していたウエスタン・スピリッツの代表 石黒さんが62歳の若さで急死されたとのこと。昨年末、奥様からご連絡をいただきました。

石黒さんはMASTERSのアンプを4台購入されて、大変気に入り、私のところに訪ねてきてくれました。

惜しい方を失いました。


フルバランス(グランドフリー(フロート))増幅方式について

店長のブログ188回目「パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999シリーズ”のバランス伝送・増幅」において、バランス型トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999FBGシリーズ”におけるグランドフリーについて記述しました。
以後、問い合わせをたくさんいただき、かつ、グランドフロートスイッチの増設についてのリクエストを予想以上に頂いております。

フルバランス増幅とは

【図1】に示すように、もっとも古くから知られて、おこなわれている方法はBTL(ブリッジ接続)方式です。
バランス増幅パッシブプリアンプでは、HOT側とCOLD側とがグランド基準として、パワーアンプにバランス信号を伝送し、ブリッジ接続のパワーアンプでスピーカーをバランスドライブします。
マスターズアンプもフルバランスプリアンプ“MASTERS BA-225”系列ではこの方式を採用しておりました。
スピーカーをバランスドライブするうえにおいては、充分な高音質パーフォーマンスが得られていました。

その後、マスターズのバランス増幅アンプはZバランス増幅アンプに進化しました。

Zバランス増幅アンプはグランドフリー(フロート)バランス増幅できる

その様子を【図2】に示します。Zバランス増幅回路は差動入力電圧で動作します。
従って、通常の差動アンプのように、片側の差動入力を設置(グランド)に接続する必要がありません。そして、差動入力に加えられる入力電圧はHOT、COLD成分が同じ電圧である必要がありません。
例えば、HOT成分は1V、COLD成分が1.5Vとすると、差動入力は1V-(-1.5V)=+2.5Vとして、正しくバランス増幅します。
Zバランス増幅回路においては、バランス増幅はHOT、COLD成分がぴったり合っていることが必要ありません。
要はグランド電位には関係なくバランス増幅します。そうなると、Zバランス(パワーアンプ)増幅回路は、プリアンプ出力のグランド電位に関係ないバランス信号を含むダブルエンド出力で、バランス増幅することができます。
ですから、パワーアンプのスピーカー端子(+、-)DC電位はグランドを0V基準として、テスターで測定すると、0Vにはならず、おおよそ±2Vくらいまでの間の電圧を示します。
パワーアンプにとって、重要なアンプ出力(スピーカー端子)間のDC電圧は0Vになります(DCドリフトは生じない)。結論的にはZバランス増幅にグランド(電位)は不要になります。

そこで、【図2】に示すように、パッシブプリアンプのグランド(巻始め)側はグランドに接続することなく、グランド側フロートさせて、ホット、コールド間の巻き始め側を接続するほうが望ましくなります。
その理由は、アンプのグランドラインは電源部整流部のリップル成分が流れ込んでおり、さらには電磁波ノイズがグランドラインを通じて入りこんでくるからです。

Zバランス増幅回路(システム)ではグランドフロートすることで、整流リッププルノイズを含み電磁波ノイズの影響を受けることがありません。
さらにピュアなアンプ方式は電源をバッテリーで供給すれば理想的になります。
具体的には、グランドフロートによるバランスパッシブプリアンプにバッテリードライブZバランス増幅パワーアンプを組み合わせれば、より理想的なアンプシステムが構築できるのです。

プリアンプをアクティブアンプで構成したい方には

【図3】に示すように、Zバランス増幅プリアンプで構成すれば良いことになります。このシステムでは、RCA入力からでも、グランドフリーにはなりませんが、フルバランス増幅になります。
もちろん、バランス信号(ダブルエンド)信号なら、フルバランス・グランドフリー増幅が実現します。ただ、S/N比はパッシブプリアンプにより残留ノイズゼロにはなりません。

けれども、プリアンプもバッテリー、すなわち、フルバッテリー電源にすれば、理想的なアクティブバランス増幅サウンドをアクティブプリアンプ方式で味わうことができます。
マスターズでは、2018年9月で販売終了したプリアンプCA-888PZBがグランドフリーZバランス増幅アンプになります。

2019年中に、AC/DCコンパチのグランドフロートZバランス増幅プリアンプとして、新登場させる予定です。

グランドラインに流れる電流とは

かつて、ケンウッドアンプの委託設計業務をしていた頃、ケンウッドではグランドラインをノイズや汚染成分の処理として扱うように言われていました。
けれども、通常のアンプはグランドラインを増幅起点とするので、例えると、下水の流れを増幅基準とするので、グランドラインからのノイズを避けるノウハウとして、グランド接続処理する順番が厳密に決められていました。

一方、サンスイでは、Xバランス回路採用以前には、増幅起点を初段/NFB部にサミングポイントを、増幅基準グランドにするようになっていました。
確かに、グランド起点を誤ると、アンプ出力にノイズ成分(特に整流リップル成分)が混じって、残留ノイズが増えることは常識です。

アンプの理想的なグランドは、アンプ筐体の静電シールドに使うだけで、増幅回路起点に使うべきでないと思います。
但し、バランス増幅回路は回路が2倍以上増えるので費用がかさみます。グランド起点(グランデッドアンプともいう)増幅アンプは上記のような注意を払えば、充分に常識なアンプになることも安心のために記します。
AU-900Xシリーズでは、Xカレント回路により、優れた高音質を実現しています。


【図1】ブリッジバランス増幅パワーアンプによるパッシブプリアンプと接続

【図1】ブリッジバランス増幅パワーアンプによるパッシブプリアンプと接続

【図2】Zバランス増幅パワーアンプとグランド(フロート)パッシブプリアンプとの接続

【図2】Zバランス増幅パワーアンプとグランド(フロート)パッシブプリアンプとの接続

【図3】Zバランス増幅パワーアンプとZバランス増幅プリアンプとの接続

【図3】Zバランス増幅パワーアンプとZバランス増幅プリアンプとの接続


パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999シリーズ”のバランス伝送・増幅

パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999シリーズ”は発売以来、多くのユーザーさんに愛用されております。末永くお使いいただけるよう願っております。
さて、バランス伝送はホット,コールド,そしてグランドの3線で行い、通常のバランス増幅はグランドを基準にします。
パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999シリーズ”は、上記方式のバランス増幅アンプに対応しております。
これまで、気が付かれた方はおられると思いますが、サンスイXバランス増幅アンプ、マスターズのZバランスパワーアンプやプリメインアンプでは、バランス信号入力を差動入力としてバランス増幅します。
したがって、グランドラインはプリアンプとは無関係になり、いわゆるグランドフリーでのバランス増幅となります。よって、グランドに関わる問題(ノイズ、電源極性など)はまったく関係がなくなります。

今回、パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999シリーズ”において、グランドラインとパッシブトランスのグランドとをフロート(FLOAT)して、マスターズZバランスパワーアンプに接続してみました。これまでは、グランドラインと接続されていました。
電気的特性はフロートでも、グランド接続しても、どちらでも、まったく変わりがないはずで、それは確認致しました。そしてヒアリングにおいて、いろいろ聴いてみました。
まずはバイオリンソナタです。これまでより、切れ味が増し、細かい表情、空気感がより感じ取れるようです。
次は、ジャズトリオです。ベース音階がよりくっきりして、さらに、ピアノの打鍵がジャズに溶け込んできます。
ドラミングも“そうだった!”とかというような細部が認識できる感じです。
けれども、微妙な差異ですし、私の聴覚ですので、何ともいえませんが、Zバランス増幅を活かすにはこのほうが良いようです。
ユーザーの方に余計な情報を与えるかもしれませんが、グランドフロートはバランス伝送(ホット,コールド)でおこなう意味から正しい方向と思います。
今後のパッシブプリアンプ“MASTERS CA-999シリーズ”のご注文においては、デザインスケッチのように、ご希望グランド選択スイッチを付加できます。価格は変わりません。
なお、パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999シリーズ”ユーザーの方で、グランドフロートをご希望の方はご連絡ください。リア面にて、スイッチ付加で対応致します。ただし、申し訳ありませんが、実費を少々頂きます。
回路は【図2】に示します。

最後に、私の知っているところでは、差動バランス入力で、グランドフロートでバランス増幅するのは“ソウルノート”のバランス増幅アンプと思われます。回路ブロックから眺めると、差動バランス入力の3段増幅アンプ構成と読みます。

【図1】MASTERS CA-999FBG/GF(予定) グランドフロートスイッチ装備の場合のフロントスケッチ

【図1】MASTERS CA-999FBG/GF(予定) グランドフロートスイッチ装備の場合のフロントスケッチ

【図2】グランドフロートスイッチ装備の場合の回路

【図2】グランドフロートスイッチ装備の場合の回路の回路図

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