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店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。
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アドバンストZバランス回路&“本当のサウンド(原音)とは何か?”

アドバンストZバランス回路にアップグレードのリクエストが4セットあり、本日、4セット目のアップグレードが完成して、発送致しました。
当初は自己陶酔ではないかと、また、1台だけ上手くいったのではないかと思ったりして、アップグレードを完了しては、ヒアリングで確認して参りました。
4セット、トータル8台でのパフォーマンスがどれも期待したどおりの良好、いや、素晴らしいサウンドになったと思っております。
特に、スピーカーボイスコイルを両側から完全にグランド(アース)に束縛されることなくパワフルにドライブするサウンドは、やはり、従来のハーフブリッジサウンドとは異なり、別次元のように感じております。
従って、フルバランス増幅モノラルパワーアンプ“MASTERS BA-999ZB/M”(モノラル)は、近々、アドバンストZバランス回路搭載した新製品にリニューアルする予定です。
また、フルバランス・パワーアンプ“MASTERS BA−225FB/MOS”,インバーテッド・フルバランス・パワーアンプ“MASTERS BA−225FB/MOSy”(販売終了モデル)機種のZバランス回路へのアップグレードも受け付けます。

ところで、話題が少しずれますが、ここ2年、クラシックコンサートに良く出掛けております。サントリーホール、ミューザ川崎、池袋芸術劇場、墨田トリホニーホール、初台オペラシティ、文京シビックホール、所沢大ホールなどでクラシックコンサートに行っています。
そもそも、人間の知覚は90%以上、視覚情報と言われています。だから、コンサートはさすが!良い音、感激!と言っても、それらは指揮者やオーケストラのみなさんの動き等の視覚情報に相当影響されているはずです。
私は、オーディオ的観点から、コンサート会場で、視覚情報が入らぬように目を閉じて聴く時間を設けています。
ところが、私の耳の形状は平らで指向特性がブロードです。どうしても、周りの方の息使いが聴こえてしまいます。
そこで、なるべくDレンジ(大きなサウンドが聴こえる)の大きくなる、前のほうの席で聴くことにしています。
そのような状態で聴くと、自分の工房と目を閉じて聴くコンサートサウンドとは一概にコンサートサウンドのほうが良いとは限らないことが少なくないことに、近年、気が付きました。また、コンサートサウンドとオーディオサウンドとは“けっこう違うな!”とも感じます。
特に、間接音、残響音はずいぶん違います。
意外とコンサートサウンドは間接音が少ないとか、貧しく聴こえることがあります。これは、2000人くらいの人員が大きな吸音材になってしまうからとも考えています。従って、短絡的に言えば、ライブ音源はセッション音源に負けているのかも知れません。
と言うのは、3年前、文京シビックホールで、出演している友達から、“オペラ”アイーダ“のゲネプロを聴きに来ないか?”と言われ、出かけました。
入場してみると、立ち会っている方々は30名ほどでした。
あまりうまくないオケでしたが、音が出てびっくり、清らかなストリングス、咆哮するブラスセクション、特に、アイーダトランペットはホール全体に響きいってびっくりでした。これがセッション録音の良さかなと感じつつ、その日は、充分サウンドに浸って帰りました。なぜなら、セッション録音のときの録音施設(ホールを含む)は御客を入れません。

さて、本番に行きました。
確かに、出演者、オケ、指揮者の皆さん、力演でした。けれども、昨日味わった、浸み渡るような素晴らしい響きは消えていました。

永遠のオーディオの課題、“本当のサウンド(原音)とは何か?”という課題を突き付けられた気がします。

1950年代後半~1980年代にレコーディング場所として、最高とされたウイーンの“ゾフィエン・ザール”は、さぞかし、凄いサウンドで録れていたのではと思ってしまいます。
ワグナー“リング”録音セッションを記録したBBC製作の画像を見ると、DECCAスタッフがこのような最高の録音ができるのは、ここしかないと言っていました。そして、セッション録音ですと、マイクセットは理想的なところにセットできます。ちなみに“リング”録音では12本のマイクを使っていました。従って、指向性が強いゆえに、コンサートでは聴こえないワイドレンジサウンドが楽しめます。
かつて、オーディオの理想を追って、シェシールド・ラボはワンポイントマイクで、ダイレクトカットでクラシック録音レコードを作りましたが、そのサウンドは遠い感じのサウンドでした。一方、マルチマイクを使って録った、“I‘be Got TheMUSIC”のスタジオ録音は絶賛を博しました。

私は“リング”の全曲のレコードを買って、聴いて、コンサートサウンドとは異なる良さも感じています。コンサートサウンドとレコーディングサウンドは基本的に違うと言う感を強くしています。
コンサート会場で聴くサウンドも良いと思うし、オーディオサウンドにはコンサートサウンドにない細部のサウンドやフレッシュサウンドがあります。
昨今、クラシック音源が売れないので、ライブ音源のCD化、ハイレゾ化が多くなりました。これは、上記の理由で、良く聴こえないです。
そう言いつつ、11月には、コンサートには出掛けようと思っています。


BA-225FB/MOSyユーザー様の声

BA-225FB/MOSyユーザー様の声をご紹介致します。

千葉市のS.Hさん
『鳴らしてみました!音が出てみると、静寂な感じ、これまでのアンプよりリアルティが高い、余韻の響きがいいです。ライブ感がたかいのが魅力です。』S.Hさんはアルテック A7をお使いです。

静岡市のN・Tさん
『購入してから、1ヶ月経ちました、一変しました。このたびはびっくりです。何がどういうふうに変わったかはなかなか表現しにくいのですが、写真に例えれば、背後の風景が動画のように動くような感じがします。バックのサウンドの動きが、左右、前後にと良く表現されるのです。とてもうれしくても、表現しようがなくて、ともかく、製作者の方にお知らせしたくて書きました。』

上記のような感想をいただきました。お客様から、よく、“このアンプはどんなものですか?”と尋ねられますが、製作者の思い入れと自己陶酔もあるので、控えめに説明するようにしています。

いずれにしても、ユーザーの方に喜んでいただくと、製作の疲れも吹っ飛びます。これからも是非ご愛用下さい。


好調!“MASTERS BA-225FB/MOSy”!!

“MASTERS BA-225FB/MOS”の兄弟機、“MASTERS BA-225FB/MOSy”にご好評いただいております。
早速、最新モデルであるこのパワーアンプにご注文をいただき、一日でも早くお手元にお届けできるように、日々製作に励んでおります。
製作完成後、長期動作試験を兼ねて、必ず数時間はサウンドチェックとして実際に聴くことにしております。
“MASTERS BA-225FB/MOSy”は実にスムーズなサウンドで、耳障りなサウンドが出てこない感じです。そして、出るべきところが“グン!”と出てくるので、人間に例えれば、“力を秘めた静かなる男!”のようです。
これまで、いろいろなアンプの遍歴をしましたが、“嫌なサウンドがしない、スリリングなときはそうなる”というアンプをお探しの方には絶好のアンプと言えましょう。

回路的に“BA-225FB/MOS”と異なるところは、そのアンプの増幅形式はインバート方式になったことです。更に、バランス変換アンプに計測器用ハイ・スルーレート(100V/μS)AD845の採用も相違点ともいえますが、バランス入力で動作する場合では、バランス変換アンプを通らないので、相違点はNFBの掛け方により、インバートか、そうでないかの違いとなります。

冒頭から、パワフルなサウンドを望む方には、こちらも好評いただいております、“BA―225FB/MOS”をお勧めします。

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