こう暑い日々が続くと、なかなかオーディオサウンドを聴く気にならない方も少なくないと思います。まして、ヒーターが輝く真空管アンプは、涼しくなるまで封印といわれる方もおられるでしょう。
私も、このところは、ずっと半導体アンプで聴いています。
水戸市のM様に続き、千葉市のY様から、バッテリードライブ・アンプのオーダーをいただいて、製作しています。バッテリードライブ・バランス増幅アンプ“MASTERS BA-225FB/MOSyFB”がそれです。
ところで、MJ誌でアクティブな健筆をふるう、“金田アンプ”で人気の高い、金田明彦氏は、最新刊のMJ8,9月号で、“バッテリードライブDCパワーアンプ”製作記事を掲載されています。
その出来上がり試聴記を拝見すると、思わず“私も同感!!”といいたくなる言葉が記されています。
一端を紹介しますと、“AC100V電源アンプと比べ、“驚き、興奮、感激が湧き上がる!”,“音の鮮度が極めて高い、生の音に最も近い!”というような、私が感じていることを代弁されているかのように錯覚するほどです。その他、“特に、固有な響きを感じることなく、音楽、そのものを聴く感じです。”,“音楽の持つ瞬発力を改めて聴き入ってしまいます。”“情報量が極めて多く、今まで聴こえなかった音がリアルに聴こえる。”等々です。
バッテリードライブアンプは、100V用電源ケーブル,電源機器,振動防止器などのオーディオ・アクセサリーはまったく必要とせず、また、特に高価なスピーカケーブルも必要としないでしょう。事実、私は¥300/mの普通のSPケーブルで聴いています。
マスターズのアンプならば、リーズナブルな価格で揃えられます。また、ご希望に応じて、バッテリー電源パックの製作(写真参照)と安価な充電器(¥2,000程度で買えます)の用意もあります。
バッテリーバックは、写真に示しますようにバッテリー電圧をモニターできますので、12Vを切ったあたりで充電すればよろしいです。普通の聴き方ならば、7日~10日に1回でよろしいでしょう。このバッテリーパックには、7Ahの12V鉛バッテリーが2個入っています。充電はフロントにある充電端子から行えます。価格は¥2万程度です。
また、このバッテリードライブアンプ(写真参照)はフルブリッジ構成なので、18Wx2のパワーが出ます。
また、14.5Vのリチウムバッテリーを入手できる方ならば、25W×2とパワーアップします。
私だけがバッテリードライブ・アンプのサウンドを自己陶酔で語っていたかも知れないと危惧していたのですが、今回の金田明彦氏の記事からも、私の一人よがりではないことがお分かりいただけたと思います。低効率スピーカを大音量で聴く方には不向きですが、20W近くのパワーならばパワー不足はありません。
暑い日が続きますが、さわやかで、超リアルなサウンドを楽しむのもオーディオの醍醐味です。
コンパチブル・プリメインアンプ“MASTERS AU-700BD”の話題です。
このキュートなアンプをお買い上げいただいた水戸市にお住まいのM様から、“素晴らしいパーフォーマンスが得られた”との嬉しいお知らせがあり、“ついては、もう1台、買いたい”とのお話がありました。
“どうされるのですか?”とお尋ねすると、“2台揃えて、バランスアンプ動作にして、結果的にモノラルアンプにします!”との方針をおしゃられました。大変、合理的な考えであるし、このアンプの活用性を見抜かれたことに感心しました。
そこで、正式にオーダーをいただき、でき上がりました。性能・音質を確認する上で、すでに納入した1台を返送していただき、同じような電気的性能・音質となるように調整・確認しました。
次はいよいよバランスアンプ動作のテストです。パワーは、トータルして3倍以上で、バッテリーでの動作の場合は18Wで、電源ユニットでの動作では25Wでるようになりました。(電源ユニットでの動作では、電源電圧をアップさせられるので、パワーは上がるのです。)
そして、ヒアリングです。最初はバランス出力付きのCDプレーヤーにダイレクトに接続です。(もちろん、XRL~RCA変換ケーブルは作りました。)パワフルで澄み切ったサウンドは大変な魅力です。電源ユニット動作接続で、すばらしいパフォーマンスが得られました。これは、やはり、L/Rの電源が干渉しないモノアンプ、そしてバランス増幅のメリットがあるのでしょう。
ニュー・ミュージック,ジャズ,クラシックと、次々と聴き続けること2時間。満足感に少し浸りつつ、次はバッテリー電源による動作を聴く事にしました。バッテリーユニットを2基用意できたので、L/R独立電源バッテリーによるモノラルアンプ、バランス増幅アンプによるサウンドを聴くことにしました。
バラード風な音楽再現は、何という澄み切ったサウンドでしょう!清らかな清流を感じる!大して涼しくもないヒアリングルームに涼風が流れる感触です。そして、パワフルな部分、例えばストラビンキーの“春の祭典”におけるグランカッサ(大太鼓)の一撃には度胆を抜かれます。更に、ビル・エバンスのジャズ名演、それもライブ音源には迫真のライブ感を感じます。各楽器の分離も明確で混濁することはまったくありません。
バッテリー電源では、±12Vなので、パワーは18W程度と低下しますが、バッテリーのレギュレーションは素晴らしく、パワーを上げても、アンプ電源の変動は、繋いでいるケーブルの10mΩ程度の抵抗による電圧低下だけです。それさえも、良質な電源用ブロックコンデンサを搭載しているので、見事にカバーします。
AU-700BDは入手しやすい価格(税込¥50,400:アンプ本体)ですし、コンパクトでスペースを取らないメリットもあります。回路の工夫で電源ON時でのアンプの立ち上がりはスムーズなので、SP用リレーは排除することもできました。また、このアンプをモノアンプにするとか、バランス変換回路を搭載するなど、カスタム仕様もリーズナブルな費用で可能です。
1か月ほど前に発売しました、トランス式アッテネータ・パッシブプリアンプ“MASTERS ATT-900シリーズ”の話題です。
バランス/ノーマルとコンパチブルに対応できる世界初の製品と自負しております。
【アンバランス入力のバランス変換の要望】
早速2名の方からの具体的な問い合わせをいただきました。それは、“せっかくバランス対応になっているので、アンバランス(RCA)入力のときもバランス変換をして、それをトランス式バランスATTでレベルコントロールできないか?”というご要望でした。
ブロックダイアグラムを眺めていただくと、LINE1のアンバランス入力対応について、そのレベルコントロールはHOT側のみになります。
バランス信号として扱うには、入力回路にバランス変換トランス(10k:10kCT)の搭載が必要になります。カスタムのご要望にお応えできます。トランスはMASTERSが特注する高性能トランス(USAコア採用)を予定しています。
ご関心をもたれた方は、入出力の仕様や価格等のお問い合わせなど、お気軽にどうぞ!
【リーゾナブルな価格に驚く】
アンバランス信号をトランス・抵抗ハイブリッド式で行うATTにPhaseTech(フェーズテック)のCM-1sがあります。
それは、半導体などの増幅素子を一切使わず、高品位音楽再生の理想とされる高入力インピーダンス・低出力インピーダンスを小音量からフルボリュームまで実現した、高次元の音質追求を行ったハイブリッドパッシブアッテネーターです。サイズは“W310×H86×D245mm”、ウェイトは“3.8kg”、標準価格は“892,500円”となっています。
上記“PhaseTech CM-1s”に比べて、当社のATTは驚異的に安価です。
しかし、安価だからといって手抜きはありません。
メイン部品であるトランス式ATTは23接点のタップを備えた大型コアを橋本電気株式会社様に特注し、4個を専用のシールドケースに絶縁ピッチを充填した高性能品です。絶縁ピッチを充填するには、この炎天下での手作業となります。
ロータリースイッチは上記フェーズテックと同じ、セイデン製です。
XLR端子はノイトリックを採用しています。
これは、小規模で利幅をとらない弊社イシノラボ/マスターズでしか実現できないでしょう!
これは、“この経済不況の折でも、一回きりの人生、何とか皆さんに大いにオーディオを楽しんでいただきたい!”という私の願いを込めています。