発売以来、ご好評を頂いている、フルバランス増幅モノラルパワーアンプ“MASTERS BA-999ZBG/MA”の実力の一端をチェックしてみることにしました。
アンプの過負荷テストとして、最大の条件で、おこないました。
このパワーアンプは8Ω負荷で、32W+32W出ます。
電源構成は、パワーステージに供給するトランスはL/R2トランス構成。
電圧増幅ステージには専用の電源トランスと3トランス構成です。
ヒートシンクは放熱容量が大きいものを採用しています。
4Ω負荷での1/8連続温度上昇試験では、ヒートシンクの温度上昇は10度以内に収まっています。
電源トランスもほぼ同様でした(外部温度上昇・周囲温度30度)。
次は、めったにおこなわない2Ω負荷での試験用音源をCDでおこなうことにしました。
また、条件をさらに厳しく電源電圧を102Vに設定しました。
アンプ出力は電源電圧の2乗に比例しますので、8Ω負荷では32W→33.3Wに増えます。
そうなると、アンプの動作条件としては厳しくなります。
近年、商用電源電圧は高めになることが多いので、102Vにしてみました。
- まずは、負荷を2Ωとして、発振器から、クリップして、矩形波になることをオシロスコープで確認します。
- 音源はDレンジの大きい曲として、ベルリオーズ“幻想”を選択しました。2楽章の始めから終わりまでの16分間を3度繰り返すことにしました。
- ff部分では、出力波形が矩形波になることを確認してスタートしました。
- そのときのデータを記すと、pp時の消費電力(アイドリング状態に近い)では17W。
さすがに、ff時にはアンプの消費電力は232Wに達しました。
もちろん、音楽再生ですから短時間、5秒程度連続くらいです。
3回の繰り返し試験では、ヒートシンク温度上昇は10度、電源トランス外部温度上昇は11度、試験終了すると下がり始め、5分程度でアイドリング状態と同じ程度になります。
その後、ひずみ測定、周波数特性をチェックしましたが、当然、正常値を示しました。
4Ω定格のスピーカーでは、最低インピーダンスは効率を見かけ上アップさせるために、120~150Hzで2.5Ωと下がる傾向になります。
“BA-999ZGB/MA”をはじめとして、マスターズアンプは低負荷スピーカーには安心してお使いいただけます。
但し、出力をショートして入力をいれると、電源ヒューズが溶断して、電源トランスを保護するようになっていますので、スピーカー配線にはヒューマン・ミステイクをなさらぬように、ご配慮下さい。
ここまで、お読みくださり、ありがとうございます。
はじめに、MASTERSのプリメインアンプで最もリーズナブルなアンプが“MASTERS AU-206G”です(税込¥52,800)。
そのせいか、あまり、皆様に注目されないようです。
ところが、このアンプ、実にタフでパワフルサウンドのアンプなんです。
8W+8Wのスモールパワーです。
このアンプのタフさは低インピーダンスロード性能です。
4Ωロードでの1/8パワーテスト(国際標準)をおこなうと、ヒートシンクの温度上昇は10度、電源トランスの外部温度上昇は6度でした。
この要因は、けっこう大きな容積のヒートシンク、大容量のパワートランジスタになります。
まったく、問題ないので、今度は思い切って2Ω負荷にして、サイン波で、クリップする値をチェックします。
それよりもFF時大きな入力となる(方形波になるくらい)音楽信号をCDで3時間ほど動作させましたが、4Ω時の1/8パワー試験と大差ない結果が得られました。
正直、私も少し驚きました。やはり、スモールパワーに比べ、大きなヒートシンクの威力とも言えるでしょう。
一応、仕様書には適合インピーダンスは4Ω~8Ωとしてありますが、低インピーダンスSPのマッチングには最適です。
なお、そのサウンドは上述したように、パワフルな音楽ソースに向いています。
但し、クリップパワーは8Wですから、そのあたりは、ご留意ください。
今度は、32W+32WのパワーアンプBA-999系について、テストしてみます。
お読みくださり、ありがとうございます。
オーディオ誌“ステレオ”に、パワーアンプ“MASTERS BA-2014T”を購入した方のヒアリングレポートが掲載され、このアンプにそれなりに皆さんの注目が注がれたようです。
本来、このパワーアンプは高効率のホーンドライバー用のアンプとして開発したのですが、実際、通常の効率(88dBくらい)のスピーカーでも、充分すぎるパフォーマンスが得られています。
そのせいか、予想以上の注文を頂いております。最近では、マッチングトランスの高品位ファインメットコアを採用したカスタムアンプも作っております。
以下は、そのアンプのユーザーH・Mさんのヒアリングレポートをご本人のご了解をいただきましたので掲載させていただきます。
以下、そのレポートです。
先日修理いただいたトランス式パッシブプリにつなぎ、
音楽をかける前に残留ノイズを確認してみました。
ALTEC 604C のホーン開口部に耳を限界まで近づけ、
徐々にパッシブプリのボリュームを上げていきます。
終にはフルボリュームになりましたが、何も聴こえてきません!?
接続、電源スイッチをチェックしましたが、問題無しです。
恐れ入りました。トランス式パッシブプリとBA-2014T は、
高能率ユニットにとって最強のコンビだと確信しました。
はやる心を抑え、エアコンの風量を弱にしてから
お気に入りのシーネ・エイ/シングズ・スタンダードをかけます。
生々しいボーカル、彼女の唇の動きさえもが分かるようです。
透明感のある弱音部から、音楽が消え入った後の静寂感。
混濁感のない生き物のように弾むウッドベース。
幾度となく聴いた曲がまるで初めて聴くような感動を伴います。
音楽に没頭出来る素晴らしいアンプをありがとうございました。
というわけです。
ご承知のように604Eの効率は102dBもあります。
通常のスピーカーより14dB以上高く、アンプの残留ノイズが気になってしまうものです。
皆様、ノイズのないアンプで、本当のサウンドを味わってください。
なお、いろいろなカスタムリクエストにも対応できますので、ご興味のある方はご連絡ください。