3月11日の悪夢から、1ヶ月近く経とうとしておりますが、復興は、まだまだ長期戦です。福島の原発は、見守る以外、我々はなすすべもありません。けれども、我々が1950年代、太平洋、ゴビ砂漠で頻発におこなわれた核実験で受けた放射能被爆量に比べたら、おそらく6桁くらい低い水準だと思い起こします。
乳幼児、妊婦の方以外は心配することはないと思っております。それよりも、たばこ、酒の飲みすぎのほうが、はるかに、はるかに不健康です。
イシノラボ売上の一部をJNN募金させていただきました。これから、毎月募金するつもりでおります。
当方の工房の消費電力は、昨年同月比で-18%の節電となりました。これからの6・7・8月の盛夏をどう乗り切るかです。少なくとも暑い時期は、半導体、省電力アンプやパッシブプリアンプ(MASTERS CA-777S・MASTERS CA-999FBS)の出番です。
そして、このような受難の時期は、張り詰めた気持ちだけではストレスで参ってしまいます。好きな音楽を好きなサウンドで楽しむのは、とても心身の健康に有益と思います。
最後に、昨年末あたりからカスタム製作を依頼されたパッシブプリアンプ“MASTERS CA-999FB SUPER A CUSTOM”は、ようやくでき上がり、納品出来ました。このパッシブプリアンプは、バランスタイプ、それにトーン回路も搭載している盛り沢山の内容です。写真に示すように、それなりに格好良くでき上がったと思っております。
現在は、バッテリードライブによるカスタム・バランスパワーアンプを製作中です。もう少しで完成します。
ご自分だけのオンリーワンアンプのご相談に乗れますので、どうぞ、ご遠慮なく!
今、MASTERS AU-880Lで“ケルティック・ウーマン”を聴いて、このブログを書いています。
清らかなフィメール・ボーカルには癒されます。ちなみに、リスニング時のアンプ消費電力をチェックしてみたら、平均6Wでした。
まだ余震が続きます。心を平安に保ち、毎日を過ごしましょう。
東日本大震災の影響で、東京/東北電力地区在住の方々には、一層の節電が望まれます。
オーディオ好きの皆様は、ヘッドフォンヒアリングで済ますのもひとつの解決法です。けれども、少しはスピーカからのサウンドも聴きたいことと思います。
そこで、“オーディオ機器は実際どの程度の電力がかかるのか?”について述べてみたいと思います。
アンプのリア面を見ると、PSE表示で消費電力が記載されていますが、これはPSE試験法での電力消費量で、実際の使用にはそれほどマッチングしていません。
具体的なPSE試験条件は(1)電源電圧は+10%とします。(2)入力信号は1kHzを8波、出力がクリップする出力を加えますが、8波のあと24波の休止期間があります。(3)負荷はそのアンプの許される最低インピーダンスとします。
このPSE規定は、安全面を重視してこのような最大出力で音楽を聴くことを想定していますので、ユーザーのみなさんの実使用時のアンプ消費電力とは違います。そこで、実際の使用条件での消費電力について、述べます。
- 真空管アンプの場合: 真空管アンプのヒーター電力は、入力信号に関係なく消費されます。EL34のプッシュプルアンプなら、ヒーター電力だけで60W程度消費されます。それにプレート電流消費が加わるので、120W~160Wくらいは常時消費します。2A3シングルのアンプではどうでしょう?ヒーター電力は30W程度、プレート電流消費は50W程度、80Wくらいは消費します。真空管OTLアンプでは、効率が悪いので、200W以上消費する場合が多いです。これらの数値は、こちらには電力計があるので確認済みです。
- 半導体アンプの場合:
- 消費電力は、動作条件で大きく変化します。常時、最大出力と同じコレクタ(ドレイン)電流を流すAクラスアンプの消費電力は、非常に大きくなります。この熱は音を出しても出さなくとも同じような消費電力になり、音を出さないときの(節電の観点から)無駄な電流は全て熱となります。冬季のストーブの代わりならば、それはそれで役にたっていると思います。50Wクラスのステレオアンプで200Wは超えると思われます。
- 出力が大きいアンプはアンプの電源電圧が高いので、同じアイドリング電流でも電力は電圧×電流になりますから、AB級アンプでも、音を出さないときでも消費電力はそれなりに消費します。大体100Wクラスのアンプで、30~50Wくらいとなります。従って、出力の小さいアンプは電源電圧が低いので、音を出さないときの消費電力は小さくなります。ちなみに“MASTERS BA-225FB/MOS”で10W程度です。“MASTERS AU-700BD”,“MASTERS AU-880L”では5~6W程度です。
- それでは、音を出して聴いているときはどうでしょうか?皆さんの聴いている出力は効率88dB程度のスピーカで、平均、せいぜい0.5W程度です。それでもパワーの大きいアンプは、小出力のときの効率は10%以下に落ちるので、意外と消費電力は大きくなり、音を出さないときの電力に10W程度は加算されるケースが多いです。ところが出力の小さいアンプでは、パワーの大きいアンプに比べ、効率が20~30%程度でそれほど低下しないので、2~3W程度加算されるくらいです。
- Dクラス(デジタル)アンプの場合: Dクラスアンプは、音を出さない時は原理的には電力は消費しないことになっていますが、それではスイッチング時に過大電流が流れ、アンプが壊れてしまうので、デッドタイムコントロールと称して、いわゆるアイドリング電流を流す必要があります。また、効率も最大出力時に最高(80%くらい)になりますが、小さい音のときには効率は20%くらいに下がりますので、思ったほど消費電力は下がりません。但し、小出力(10W程度)のDクラスアンプなら、2~3Wの消費電力になります。
- プリアンプの場合: 半導体大型プリアンプでは50~60W程度消費しています。当然パッシブプリアンプでは、消費電力はゼロになります。
真空管アンプは、節電の観点からは不利な形勢です。また、Aクラスアンプも同様です。そうなると、5W~10WくらいのアンプでALTEC,JBL,TANNOYのような、ある程度の大型スピーカならば、バンバン、ガンガン鳴らしても、10W以下の消費電力で済むでしょう。
上記のような考慮は、これまでほとんど必要がなかったことですが、このような非常事態時には、オーディオ趣味も生活あってのものです。参考になれば幸いです。
ちなみにデスクトップパソコンは意外と消費電力は大きく100W近く消費します。使わないときは、電源を切りましょう。
プリメインアンプ“MASTERS AU-880L”の出来栄えに納得!改めて、スピーカ“ROGERS LS3/5A”の良さを知る!
当方の工房ではお客様にお聴かせするので、私自身も音楽を工房で聴くことがほとんどでした。
住居のほうは、至ってコンパクトな装置です。
スピーカはROGERSのLS3/5A、CDプレーヤーはCECの5連CDプレーヤーです。アンプは、何と、ケンウッドの小型コンポ用のものです。
ケンウッドには申し訳ありませんが、聴いても好ましいサウンドが出ず、家族もそのような感じを持っていて、TVしか視聴しなくなり、1年以上音は出ずになっていました。
ところが、突然、家族がCDを買ってきて、聴きたいというのです。
“紺屋の白袴!”と昔のことわざどおり、自分のほうはなおざりになっていたのです。
そこで、仕方なく、プリメインアンプ“MASTERS AU-880L”を住居に運び、アンプをこれに変更しました。
久しぶりに結線して音を出して、家族が驚きの声を挙げたのです。
“このCDはこんなにいい音が入っていたんだ!”
クリア、さわやか、瑞々しく細部まで聴き取れるサウンドに、私は聴きほれてしまいました。
それまでは、LS3/5Aは小型の割に高価で大したことない!などと思っていました。ところが、やっぱりBBCモニターだけのことはあります。
また、“MASTERS AU-880L”は10W+10Wアンプですが、82dBの低効率のLS3/5Aに充分過ぎる大きさの音が出てきます。
日本全国で500人くらいしか所有していないと思われる広いリスニング・ルームを持っていて、85dBくらいの最近のスピーカで、どでかい音で聴きたい方であれば、100W以上のアンプが必要なのかも知れません。
しかし、多くの一般的なお部屋でお聴きの方は、10Wどころか5W、いや、2Wで充分と思います。ですから、真空管シングルアンプも存在しえるのでしょう。
我が家は、TVを消して音楽を聴く時間が増えました。
私の我が家での居場所が少しできました!
私の製品はメーカー品と違った生々しいサウンドが出ると思います。
聴覚を味覚に例えると、メーカー品はチェーン・ファミリーレストランの味わい、わたしのところはこだわりの料理屋、それもリーゾナブルプライスでしょうか!
一度、食べに(聴きに)いらしゃいませんか!?
ユニークな工夫・検討をおこなっていますので、次回はそれが報告できたらと思っています。