まだまだ、災害復興は長期戦です。
お客様の善意により、先週、第2回のJNN募金が出来ました。ありがとうございます。
まず、オーディオ趣味と節電についてお話します。
お客様から、“もうTVでの災害画像はしばらく見られない”という悲痛な心情を聞くようになりました。募金できる余裕があれば募金はすべきだし、そして、日常どおり消費することが景気と雇用を維持することにつながります。
連休は旅行に出かけるのも良いし、一方、気に入った音楽を気に入ったサウンドで楽しむのもよろしいかと思います。
また、中部電力の浜岡原発の停止により、節電は全国に広がる気配です。良いサウンドで音楽を聴くのに、電力を浪費しているというような引け目をもし感じられるならば、手前味噌で申し訳ありませんが、プリメインアンプ“MASTERS AU-880L”の消費電力を測定したら、アイドリング時わずか3W、普通の音量で、8Ωスピーカでは4W、4Ωスピーカでは5Wの消費電力で済みました。
それでいて、サウンドはなかなかの切れ味と清純さを表現します。
さらに、人気のフルバランス・パワーアンプ“MASTERS BA-225FB/MOSでは、アイドリング時の消費電力は11Wで、普通の音量で、8Ωスピーカでは13W、4Ωスピーカでは15Wの消費電力で済みました。
次に、ここのところ注目されているバッテリードライブアンプについてお話します。
4月10日のブログで製作中とお話した、完全バランスのバッテリードライブのカスタムモノアンプが完成しました。
専用のバッテリーBOXも完成致しました。このバッテリーBOXは、12V/9Ahの密閉バッテリーを2個内蔵し、バッテリーの電源電圧やアンプに流れる電流をモニターできるようになっています。
さらに、充電時の充電電圧や充電電流もモニターでき、安全に充電できるようになっています。従って、充電器は車用の¥4,000程度の小型充電器で十分充電が可能となりました。けれども、充電をこまめにやるのが面倒な方には、¥5万と高価になりますが、自動充電器をご紹介できます。下がったら充電を開始し、上がったら充電を停止する、すべてマイコンコントロールの優れものです。
最後に、これも注目されているバランス増幅のヘッドフォンアンプについてお話します。
パーソナルなオーディオを楽しむ方は住宅事情からも確実に増えています。STAXのイヤースピーカの優れたサウンドにはバランス増幅によることもあると思います。
普通のヘッドフォンはL/Rのマイナス側が共通になってしまって、バランス増幅ができません。バランス増幅しようとすれば、ヘッドフォンの引き出しリード線を切断して、マイナス端子をL/R独立させることが必要ですが、それほど大変なことではありません。
プロオーディオ業界では、ゼンハイザーなど、バランス増幅用のヘッドフォンが用意されているということも聞いたことがあります。
写真の内容は製作中のカスタム品のバランス増幅対応ヘッドフォンアンプで、型名は“MASTERS BA-999HD/FBcustom”としています。
それとバランス接続するヘッドフォンですが、写真のものは“DENON AH-D1100”です。
近いうちに、そのパーフォマンスをご報告できるでしょう。
東日本大震災の影響で、東京/東北電力地区在住の方々には、一層の節電が望まれます。
オーディオ好きの皆様は、ヘッドフォンヒアリングで済ますのもひとつの解決法です。けれども、少しはスピーカからのサウンドも聴きたいことと思います。
そこで、“オーディオ機器は実際どの程度の電力がかかるのか?”について述べてみたいと思います。
アンプのリア面を見ると、PSE表示で消費電力が記載されていますが、これはPSE試験法での電力消費量で、実際の使用にはそれほどマッチングしていません。
具体的なPSE試験条件は(1)電源電圧は+10%とします。(2)入力信号は1kHzを8波、出力がクリップする出力を加えますが、8波のあと24波の休止期間があります。(3)負荷はそのアンプの許される最低インピーダンスとします。
このPSE規定は、安全面を重視してこのような最大出力で音楽を聴くことを想定していますので、ユーザーのみなさんの実使用時のアンプ消費電力とは違います。そこで、実際の使用条件での消費電力について、述べます。
- 真空管アンプの場合: 真空管アンプのヒーター電力は、入力信号に関係なく消費されます。EL34のプッシュプルアンプなら、ヒーター電力だけで60W程度消費されます。それにプレート電流消費が加わるので、120W~160Wくらいは常時消費します。2A3シングルのアンプではどうでしょう?ヒーター電力は30W程度、プレート電流消費は50W程度、80Wくらいは消費します。真空管OTLアンプでは、効率が悪いので、200W以上消費する場合が多いです。これらの数値は、こちらには電力計があるので確認済みです。
- 半導体アンプの場合:
- 消費電力は、動作条件で大きく変化します。常時、最大出力と同じコレクタ(ドレイン)電流を流すAクラスアンプの消費電力は、非常に大きくなります。この熱は音を出しても出さなくとも同じような消費電力になり、音を出さないときの(節電の観点から)無駄な電流は全て熱となります。冬季のストーブの代わりならば、それはそれで役にたっていると思います。50Wクラスのステレオアンプで200Wは超えると思われます。
- 出力が大きいアンプはアンプの電源電圧が高いので、同じアイドリング電流でも電力は電圧×電流になりますから、AB級アンプでも、音を出さないときでも消費電力はそれなりに消費します。大体100Wクラスのアンプで、30~50Wくらいとなります。従って、出力の小さいアンプは電源電圧が低いので、音を出さないときの消費電力は小さくなります。ちなみに“MASTERS BA-225FB/MOS”で10W程度です。“MASTERS AU-700BD”,“MASTERS AU-880L”では5~6W程度です。
- それでは、音を出して聴いているときはどうでしょうか?皆さんの聴いている出力は効率88dB程度のスピーカで、平均、せいぜい0.5W程度です。それでもパワーの大きいアンプは、小出力のときの効率は10%以下に落ちるので、意外と消費電力は大きくなり、音を出さないときの電力に10W程度は加算されるケースが多いです。ところが出力の小さいアンプでは、パワーの大きいアンプに比べ、効率が20~30%程度でそれほど低下しないので、2~3W程度加算されるくらいです。
- Dクラス(デジタル)アンプの場合: Dクラスアンプは、音を出さない時は原理的には電力は消費しないことになっていますが、それではスイッチング時に過大電流が流れ、アンプが壊れてしまうので、デッドタイムコントロールと称して、いわゆるアイドリング電流を流す必要があります。また、効率も最大出力時に最高(80%くらい)になりますが、小さい音のときには効率は20%くらいに下がりますので、思ったほど消費電力は下がりません。但し、小出力(10W程度)のDクラスアンプなら、2~3Wの消費電力になります。
- プリアンプの場合: 半導体大型プリアンプでは50~60W程度消費しています。当然パッシブプリアンプでは、消費電力はゼロになります。
真空管アンプは、節電の観点からは不利な形勢です。また、Aクラスアンプも同様です。そうなると、5W~10WくらいのアンプでALTEC,JBL,TANNOYのような、ある程度の大型スピーカならば、バンバン、ガンガン鳴らしても、10W以下の消費電力で済むでしょう。
上記のような考慮は、これまでほとんど必要がなかったことですが、このような非常事態時には、オーディオ趣味も生活あってのものです。参考になれば幸いです。
ちなみにデスクトップパソコンは意外と消費電力は大きく100W近く消費します。使わないときは、電源を切りましょう。
新型フルバランス・パワーアンプ“MASTERS BA―225FB/MOS”は昨年発売以来、ご好評をいただいております。
このアンプは25Wのパワー、¥127,500(税込)のリーズナブルな価格、コンパクトなサイズでスペースを取りません。
昨年、購入された東京都在住のMさんから、シンプルなメールが久しぶりに届きました。
そのまま、ご紹介致します。