相変わらず、それなりに忙しくアンプ作りに励んでおります。
発売以来、トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-777S”,“MASTERS CA-999FBS”は、ご好評をいただいており、製作に励んでおります。
お客様から、「L/Rのレベル差はどうですか?」というお問い合わせが割とあります。当然、「トランスの巻き数でレベルが決まるので、誤差はありません!」とお返事をしておりますが、実際測定してみても、測定器の誤差レベルで非常に優れています。
具体的には、どこの位置でもL/Rレベル差は±0.01dB以内です。
また、話題の節電アンプである、プリメインアンプ“MASTERS AU-880L”,“MASTERS AU-890L”が大好評です。お手頃価格もありますが、とても心地よいサウンドが出ております。それにコンパクトで扱いやすいです。
購入なさったユーザーさんから高い評価レポートをいだだき、作り手としては最高の喜びです。
STAXアンプも使える新型・多用途プリメインアンプ“MASTERS AU-900STAX/HP”も好評をいただいております。
AU-880LのサイズでSTAXのイヤーSPが使えるのは、便利この上ないです。
通常のスピーカやヘッドフォンを使うときは、STAX回路からは分離されますので、まったく影響ありません。また、STAX使用時には、300Vrmsを超える高電圧振幅でもひずまず、クリップもしません。
STAX専用アンプとも異なる芳醇サウンドをお楽しみ下さい。
また、アンプ修理依頼も少なくありませんが、かつての重量級・大型アンプの修理には苦労しております。とにかく重く、年齢的にもとてもわたしの体力では厳しくなり、修理に際しては、あらかじめ分解して、軽くしてから修理にあたっております。
これからも、体力の続く限り、お客様に喜ばれる製品の製作と、修理依頼にもできるだけお応えしたいと考えています。
バランスドライブアンプ“MASTERS BA-225FB/MOS”、トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-777S”、“MASTERS CA-999FBS”は、ご好評をいただいております。
さらに、バッテリードライブでアンプを駆動しているお方も確実にふえておりますし、現在、カスタムアンプとして製作中のアンプもあります。
今回、盟友デザイナーの大友さんから、“私にも、これが一番良いと思うアンプを作ってくれ”との要請を数か月前から受けていました。日々の製作に没頭することが多く、なかなか試作に取り掛かれませんでした。大友さんは、先にアンプ図面を書いてきて、さらに少し経ったら、シャーシ・ケースを作って送りつけてきました。
そうなったら私も意欲が湧いてきました。
そこで、以下のような内容のアンプにしようと思いました。
- アンプはバランス増幅アンプ形式にする。
- 電源は、ピュアで、電源インピーダンスが低く、ドライブ力のあるバッテリーを採用する。
- 音量調整はパッシブプリアンプに採用しているトランス式アッテネータ(トランスATT)を搭載する。
このような、ある意味、究極のアンプの内容を盛り込んで作ろうということにしました。大友さんも、この内容に賛同してくれました。
さて、実際、トランスATTは電源トランスからの誘導を受けやすいので、この問題は発生しないようにと、バッテリードライブ形式とすることは必要条件かもしれません。(商用電源方式にするなら、電源部は別シャーシに用意すれば問題解決します。)
また、トランスATTをバランス用に4個搭載するのは、コスト・スペースの点で無理があり、やむなくバランス入力は諦めて、アンバランス入力(大友さんのCDプレーヤーはバランス出力がないという)専用として、このアンバランス信号をバランス変換してバランス増幅アンプに入力させる方式にしました。
最大出力は、バッテリードライブですから、最大パワーは8Ωスピーカで18W+18Wというところです。
時間を見つけては、少しずつ組立、やっと5月になって音が出る段階になりました。
写真は、配線した直後なので整理されていませんが、あえて掲載します。
結果は以下のようになりました。
- まず、ノイズの発生は、周囲に電源トランスを置かないバッテリードライブとしたので元々ローノイズですが、さらにローノイズに仕上がりました。
- 周波数特性、ひずみ、ダンピング・ファクターなど、電気的特性も問題なく優秀でした。
- さて、一番気になるサウンドパフォーマンスです。これは、一聴して好みを超えて素敵なサウンドであることは理解できました。静寂のなかで純粋にサウンドだけが耳に届く感じです。低域の重心、がっちり感も充分です。ボーカルのパワフルさ、透明感もエクセレント、コーラスの場合の混変調感も、リアルそのものと聴き取れました。また、パルシブなサウンドも立ち上がり感、爆発感、切れ味が素晴らしく、言うことはありません。
自己陶酔かも知れないと、落ち着いて2週間ほど聴いてから、大友デザイナーに発送致しました。
大友デザイナーからは、“いい音!大変満足!”とのありがたいコメントをいただきました。事実、大友デザイナーにTELすると、最近はいつも音楽が聴こえます。
“カー・バッテリー(28Ah)を使っているけど、まるで電圧低下がないような電圧測定結果!”ということですから、このペースでは2~3カ月に一度くらいの充電で充分でしょう。充電は、わたしの説明・注意に従って、安価(¥2,980)な充電器で充電しています。
そんなわけで、この方式のアンプを、できれば製品化したいと思っております。
とりあえず、皆様にお知らせいたします。
オーディオファイルの方の中で、マルチチャンネルでオーディオシステムを構築して、特に、ミッドレンジ、ハイレンジに110dBを超えるホーンドライバを使っている方は少なくありません。
110dBの音圧というと、ジェット機の大轟音に匹敵するもので、このようなものすごい大きな音を1Wの入力で出してしまうのですから、驚くほかありません。したがって、これらのドライバーの最大入力(音楽ソースで)スペックは5Wが限度と規定されていることが多いのです。オーディオ界を見渡すと、ホーンドライバにマッチしたアンプがないのではないかと思います。どう考えても、アンプ出力は2Wもあれば充分です。2Wですと、1m離れて113dBの大音量が鳴らせるので、2m離れても6dBダウンの107dBの大きな音になります。
ちなみに、4月29日に開催された“ウエストリバーアンプ”の視聴会で、音圧計で音の大きさを測定しましたが、フォルテシモ(ff)のところでも、2m離れて85dBでした。1mのところでは、6dBアップの91dB出ていたことになります。
このスピーカの効率は87dBですので、アンプは1W出すと87dBの音が出て、さらに、4dBアップの91dBでは、アンプ出力は、概算2.3倍くらい、2.3Wの音を出していたことになります。このレベルの音は、近所迷惑であるような大音量です。
通常の皆様のヒアリングレベルは、スピーカの効率を88dBくらいとして、せいぜい0.1~0.5Wくらいです。その代わり、小さいレベルで聴いているのですから、ノイズは気になるはずです。S/N比よりも、残留ノイズが音楽再生の質に影響します。
もっとも、“ホワイト・ノイズが好きだ!”という方もおられるので、それはそれで、よろしいと思います。
最近、パワーを落として、かつローノイズのカスタムアンプのご注文をいただきました。プリメインアンプ“MASTERS AU-880L”,プリメインアンプ“MASTERS AU-890L”、コンパチブル・プリメインアンプ“MASTERS AU-700BD”等は、究極のローノイズを実現しておりますが、今回はさらにウルトラローノイズを目指して、パワーは2W+2Wあれば充分というリクエストに応えるべく検討開始して、近々実現する予定です。価格も、他ブランドに比べて低価格を実現するつもりです。
写真は、最近納入したバッテリードライブの8W+8W、高域用スピーカネットワークを内蔵したカスタムパワーアンプです。“MASTERS BA-208BD CUSTOM”といいます。バッテリードライブならば、このようにコンパクトに作れます。
また、100V電源内蔵アンプでも、2W+2Wですと、アイドリング電流をAクラス領域まで流すことは、ケースを一回り大きくしてヒートシンクを大きくすることにより可能です。少し熱くなるのは省エネの面から避けたいという方には、ABクラスのバイアスを掛けて、ホーンスピーカ向けアンプを実現することができます。
様々なカスタムアンプ、オンリーワンアンプの製作も可能ですので、興味をもたれた方は是非お問い合わせください。