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店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。
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オーディオを節電しつつ楽しむには

東日本大震災の影響で、東京/東北電力地区在住の方々には、一層の節電が望まれます。

オーディオ好きの皆様は、ヘッドフォンヒアリングで済ますのもひとつの解決法です。けれども、少しはスピーカからのサウンドも聴きたいことと思います。
そこで、“オーディオ機器は実際どの程度の電力がかかるのか?”について述べてみたいと思います。

アンプのリア面を見ると、PSE表示で消費電力が記載されていますが、これはPSE試験法での電力消費量で、実際の使用にはそれほどマッチングしていません。
具体的なPSE試験条件は(1)電源電圧は+10%とします。(2)入力信号は1kHzを8波、出力がクリップする出力を加えますが、8波のあと24波の休止期間があります。(3)負荷はそのアンプの許される最低インピーダンスとします。
このPSE規定は、安全面を重視してこのような最大出力で音楽を聴くことを想定していますので、ユーザーのみなさんの実使用時のアンプ消費電力とは違います。そこで、実際の使用条件での消費電力について、述べます。

  1. 真空管アンプの場合: 真空管アンプのヒーター電力は、入力信号に関係なく消費されます。EL34のプッシュプルアンプなら、ヒーター電力だけで60W程度消費されます。それにプレート電流消費が加わるので、120W~160Wくらいは常時消費します。2A3シングルのアンプではどうでしょう?ヒーター電力は30W程度、プレート電流消費は50W程度、80Wくらいは消費します。真空管OTLアンプでは、効率が悪いので、200W以上消費する場合が多いです。これらの数値は、こちらには電力計があるので確認済みです。
  2. 半導体アンプの場合:
    1. 消費電力は、動作条件で大きく変化します。常時、最大出力と同じコレクタ(ドレイン)電流を流すAクラスアンプの消費電力は、非常に大きくなります。この熱は音を出しても出さなくとも同じような消費電力になり、音を出さないときの(節電の観点から)無駄な電流は全て熱となります。冬季のストーブの代わりならば、それはそれで役にたっていると思います。50Wクラスのステレオアンプで200Wは超えると思われます。
    2. 出力が大きいアンプはアンプの電源電圧が高いので、同じアイドリング電流でも電力は電圧×電流になりますから、AB級アンプでも、音を出さないときでも消費電力はそれなりに消費します。大体100Wクラスのアンプで、30~50Wくらいとなります。従って、出力の小さいアンプは電源電圧が低いので、音を出さないときの消費電力は小さくなります。ちなみに“MASTERS BA-225FB/MOS”で10W程度です。“MASTERS AU-700BD”,“MASTERS AU-880L”では5~6W程度です。
    3. それでは、音を出して聴いているときはどうでしょうか?皆さんの聴いている出力は効率88dB程度のスピーカで、平均、せいぜい0.5W程度です。それでもパワーの大きいアンプは、小出力のときの効率は10%以下に落ちるので、意外と消費電力は大きくなり、音を出さないときの電力に10W程度は加算されるケースが多いです。ところが出力の小さいアンプでは、パワーの大きいアンプに比べ、効率が20~30%程度でそれほど低下しないので、2~3W程度加算されるくらいです。
  3. Dクラス(デジタル)アンプの場合: Dクラスアンプは、音を出さない時は原理的には電力は消費しないことになっていますが、それではスイッチング時に過大電流が流れ、アンプが壊れてしまうので、デッドタイムコントロールと称して、いわゆるアイドリング電流を流す必要があります。また、効率も最大出力時に最高(80%くらい)になりますが、小さい音のときには効率は20%くらいに下がりますので、思ったほど消費電力は下がりません。但し、小出力(10W程度)のDクラスアンプなら、2~3Wの消費電力になります。
  4. プリアンプの場合: 半導体大型プリアンプでは50~60W程度消費しています。当然パッシブプリアンプでは、消費電力はゼロになります。

真空管アンプは、節電の観点からは不利な形勢です。また、Aクラスアンプも同様です。そうなると、5W~10WくらいのアンプでALTEC,JBL,TANNOYのような、ある程度の大型スピーカならば、バンバン、ガンガン鳴らしても、10W以下の消費電力で済むでしょう。
上記のような考慮は、これまでほとんど必要がなかったことですが、このような非常事態時には、オーディオ趣味も生活あってのものです。参考になれば幸いです。
ちなみにデスクトップパソコンは意外と消費電力は大きく100W近く消費します。使わないときは、電源を切りましょう。


バッテリードライブのマスターズアンプのユーザー様からのコメント

バッテリードライブのマスターズアンプのユーザー様からのコメントを紹介致します。

中国地方に在住のTさんは、上記のアンプをお使いです。
先日、メールにて以下のコメントをいただいたのでご紹介いたします。

製作者が自己陶酔で語るよりも、客観性があると思います。

私は古い弦楽器(ピリオド楽器)でのバッハやモーツアルト演奏を聴くのが好きです。
その響きは、真空管アンプと古いフィールド型スピーカーで聴くと、さらに再生系の共振や共鳴が付け加わります。
それぞれの共鳴が重なってある意味で気持ちのいい音が出てくるのでしょう。
バッテリードライブアンプはこれとは全く異なります。そのような不純なものを排することにより、楽器の響きをそのまま出してくれます。
(もっともアンプだけでなくスピーカーはもっと問題があるのでマルチアンプにしているわけです。)
「透明感、クリアな感じ」はそういう意味でけっして無味乾燥ということではなく「楽器そのものの美しい響き」であったり、その結果として「生々しい」という表現になるのでしょうね。
バッテリードライブがしばらく使えなかったことで、これが私にとって必須のアンプであることを確認できました。

もう、お一人のお方は、千葉市在住のクラシック好きのYさんです。
特に、バロック音楽を演奏もされ、3000枚以上のアナログレコード、2000枚以上のCDをお持ちになられている方です。

お貸ししたバッテリードライブアンプについて、短い表現ですが、以下の感想を寄せていただきました。

昨日は一日中お借りしたアンプを試聴して過ごしました。主にSPはDALIを使用したのですが、ヴィヴァルディの声楽曲のソプラノのソロやルクレールのヴァイオリン・ソナタなど、今まで聞き取ることのできなかった微妙なニュアンスが実に見事に表現されて唖然としました。どうも手放せなくなるような予感がします。

私がバッテリードライブの良さは大いに広めたいことは確かです。
しかし、そうかと言って、他のアンプの良さも認めるものです。ある意味、その反対の極にある真空管アンプのゆったりとしたまろやかな表現も音楽を楽しむ上で、素晴らしいことと思います。
マスターズブランドでは、いろいろな方式をご用意して、皆様のご要望に応えております。


バッテリー電源に使うバッテリーを充電するには!?

バッテリードライブによるサウンドの良さを否定できる方は、そのサウンドを聴けばいないと思います。

けれども、なかなか、バッテリードライブアンプ採用に踏み切れないのは、バッテリーの充電ではないでしょうか?

ユーザーの方では、自動充電器(¥53,000)をお使いになっている方が何人かおられます。これを使えば、それこそ、つないでおけば、常に、100%充電に保たれます。でも、資金的は負担が大きいと、敬遠されている方が多いとも思っています。

そこで、安価に充電する方法を写真で紹介します。

  1. まず、カー用品の専門店に行き、充電器を買います。充電器には、ピンからキリまで売っています。オーディオ用バッテリーの充電では大電流で充電する必要もないので、キリの充電器でも充電は可能です。今回、購入したのは、¥2,980と衝撃的安価な充電器です。勿論、中国製です。(写真【1】に示します。)
  2. それでは、充電を始めます。最初に、テスターで、バッテリーの電圧を測ってみましょう。電圧は12.31Vを示します。100%充電時には12.8Vくらいありますから、この場合は充電したほうが良いと判断します。
  3. このバッテリーはシール鉛バッテリーですので、電解液が漏れる心配はありません。自動車用のバッテリーでも構いません。
  4. 写真に示すように、バッテリーは2個シリーズ接続されています。±12V電源ですから、中点がグランド(アース)になります。
  5. 充電は、1個づつおこなうことになります。まず、左側のバッテリーに充電器からのケーブルを極性を間違えないようにつなぎます。それから、100V電源に充電器のACケーブルを差し込むと、この充電器では、それで、充電を開始します。オレンジ色のLEDが充電中を示します。このときの、バッテリーの電圧を測定すると、14.2Vを示していて、充電していることが分かります。
  6. このままにしておけば充電をおこない、完了するとグリーンのLEDが点灯して知らせてくれます。充電完了時のバッテリー電圧は13V以上になっていますが、しばらくすると、12.8Vくらいに落ち着きます。
  7. そこで、もう1個のバッテリーを同じ手順で充電します。今回は、2個あわせて3時間程度で充電が完了しました。
  8. 皆さんも1回やってみていただければ特に面倒なこともなく、危険もありませんが、注意しておこなって、バッテリードライブサウンドを楽しんでください。金田アンプで高名な金田さんも、バッテリードライブサウンドには大いにそのパフォーマンスを期待されていますし、そのことに自信を深めているようです。
  9. バッテリードライブに否定的なコメントを言う方もおられます。すなわち、バッテリーの周波数vs内部抵抗において、高域で高くなるということです。それはある程度当たっています。従って、高域インピーダンスを補正するコンデンサを必ずバッテリーにパラレルにつけることは常識となっていて、このような問題点は払拭されています。

【1】これが充電するバッテリーの端子と接続部分
  バッテリー

【2】端子電圧を測定します。
  バッテリー

【3】充電前は12.31Vを示していました。
  バッテリー

【4】これが¥2,980の充電器
  バッテリー

【5】充電器からの充電ケーブルを端子につなぎます。
  バッテリー

【6】見えにくいですが、充電中を示すオレンジLEDが点灯します。
  バッテリー

【7】充電中のバッテリー端子に加わる電圧
  バッテリー

【8】充電後は14.20Vを示しています。
  バッテリー

※ バッテリーの扱い、充電等はユーザー様の責任においてお願い致します。

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