店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。

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フォノイコライザーアンプとAPI改良型アンプユニットについて

フォノイコライザーアンプとAPI改良型アンプユニットについて

このところ、零細規模ゆえに多忙で、なかなかブログが書けなかった状況でした。

今年の景気の悪さは昨年よりもひどいという状況と感じているお方は多いのでないでしょうか。特に、わたしの周辺でも雇用関係で大変になっている方も少なくありません。

そのような状況でも、オーディオを楽しみたいという方は減るという感じではありません。むしろ、少しづつ増えている感じがします。
その代わり、価格の高いものはなかなか売れないようです。イシノラボは、ずっと、良心的な、コストパフォーマンスの高い製品の提供を心がけております。最近は、お財布の負担が比較的軽いフォノ・イコライザーアンプのご注文が増えています。例えば、フォノイコライザアンプ“MASTERS PH-102シリーズ”です。
また、アナログ・レコードを楽しむ団塊ジュニアの方も少なくありません。
MCカートリッジの価格がせめて、DL-103並みの価格であれば、もっとアナログレコードファンは増すでしょう。

ご注文を受けたフォノ・イコライザーアンプのアンプユニットはAPI改良型を指定する方がほとんどです。
このフォノ・イコライザーアンプのサウンドは音楽の乗りが良く、POPSやジャズ系の音楽に向いていると思います。
その秘密は、当たっているかどうかは別として、差動2段+差動プッシュプルという、回路技術者が判断すると、3段増幅回路という難しく、ユニークな回路を採用しているところにあると考えています。

3段増幅回路は普通に設計すると、発振安定度に問題を起こします。そのあたりを綿密な位相補償回路の分析と計算により克服して成り立たせています。

このあたりが、IC OPアンプと全く異なることですし、一般的に広く採用されている2段差動回路とも違うところです。あえて、この回路を考えたAPI創業者のエンジニアに敬意を表します。

この回路に類似するものと言えば、おおげさに言えば、サンスイの07シリーズアンプ以外にないでしょう。
初代のAU―607/707はAPI回路と共通点があります。同じように、3段増幅回路といえましょう。さらに、専門的に言うと、2ポール位相補償回路という自動制御に採用される回路で動作安定度を確保しています。

サンスイはその後、ダイアモンド差動回路、スーパーフィードフォワード、Xバランス回路と発展しましたが、その基本の3段増幅回路と2ポール位相補償という基本は最後まで継続して終りました。このような意味からもAPIモジュールの入手が困難なとき、この回路ユニットを改良して作りたいという努力は、少しは皆様に評価されたかな?と思っております。

これから、11月もあっという間に過ぎ、年末になることでしょう。イシノラボは、価格に応じた特注アンプにも応じられます。“これだけの予算で作って!”というリクエストもどうぞお寄せください!


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